渡良瀬遊水池、宮島など、新たに9ヵ所が「ラムサール条約」に登録される

渡良瀬遊水地
渡良瀬遊水地

「ラムサール条約」を知っているだろうか。正式には「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言い、1971年にイランのラムサールで開かれた会議で条約が採択された。その目的は水鳥の生息地等として国際的に重要な湿地や、そこで生息・生育する動植物を守ることだ。

 

 2012年7月3日、日本国内に新たな「ラムサール条約登録地」が誕生した。大沼(北海道)、渡良瀬遊水地(茨城・栃木・群馬・埼玉県)、立山弥陀ケ原・大日平(富山県)、中池見湿地(福井県)、東海丘陵湧水湿地群(愛知県)、円山川下流域・周辺水田(兵庫県)、宮島(広島県)、荒尾干潟(熊本県)、与那覇湾(沖縄県)の9カ所だ。これらの登録によって日本の登録湿地は計46ヵ所、合計面積は13万7,968ヘクタールになった。

 

 新規登録地の一つである渡瀬遊水池は、渡り鳥の渡来地で、広大なヨシ原が広がる。一方で台風や大雨時には治水機能を担う。また、1906年、足尾銅山の鉱毒被害防止のために谷中村が強制廃村された後に作られたという歴史もあり、今回の登録は多方面から注目されている。

 

文/岩間敏彦

 

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