プラスティックごみが世界中で問題になっている。鉄くずとは違い、プラスティックはいくつかの種類が混ざるとリサイクルがとても困難になるため、現状ではリサイクル率が非常に低い。ゴミとなったプラスティックは世界中の埋め立て地を覆いつくし、それでは足りず海にはみ出し、野生生物を脅かすまでになっている。
そんな厄介なプラスティックごみを再生する画期的な事業を“プラスティックごみ”と“貧困の多い国”で展開するのがプラスティック・バンク(Plastic Bank)だ。収集されたプラスティックごみは、教育、職業トレーニング、生活必需品や3Dプリンターサービスなどに置き換えられることで、地域貨幣のような役割を果たす。
この事業を可能にしたのは自称「ごみ男」のマイク・ビブル博士だ。プラスティック・バンクの使命は、陸、海、水路からプラスティックごみを取り除くと同時に、貧困に苦しむ人々から仕事をする意気込みを引き出す手助けをすることだという。
プラスティック・バンクの役員でもあるビブル博士は包括的なプラスティックのリサイクリング・システムを開発し、新規でプラスティックを生産する際の1/10のエネルギーで、プラスティック・ペレットを生産することを可能にした。
もともと鉄よりもプラスティックの方が単価は高いため、本来なら商品価値は高い。プラスティックごみは、廃棄物ではなく資源であるという考えが貧困国で当たり前になるかもしれない。
翻訳/中野よしえ
文/温野まき
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