里山の未来を考えるワークショップ、無事開催!

 平成25年4月12日(土)。EOL里山部主催の「里山の未来を考えるワークショップ」が、春の穏やかな天気のなか佐野市富士町で開催されました。

 

 佐野市富士町は唐沢山の麓にある都市部に近い里山が広がる地域です。一帯は唐沢山自然公園に指定され雑木林が多く残されています。

 

 午後1時に露垂根神社の駐車場に集合した参加者は、大網地区の3段池を目的地に散策。田園の道路を徒歩で移動すると、畦道には小さなスミレの花が咲く心和む光景が見えてきます。小川にはオオサンショウウオの卵塊、田植えを待つ田圃にはオタマジャクシを見ることもできました。 

 散策中は、地元で農業をする青柳さん、亀田さんから地域の歴史や農業の現状を解説いただき、筆者はイノシシによる進入痕跡の解説をしました。途中より、永年地元で農業をされている青柳さんのお爺さんがしてくださった解説には、参加者一同、とても興味深く聞き入っている様子でした。 

 

 3段池は農業用水として利用されているため、釣りが禁止されています。にもかかわらず、釣り人が多く見られるのです。「釣り禁止」の看板も、残念ながら池の中に投げ入れられている始末。

 

 池の中では、魚が泳ぐ姿を注意深く観察すると、ブルーギルを多数確認することができます。「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(外来生物法)」では、ブルーギルは指定代一次指定種の魚類に指定されています。この法律では、生態系、人の生命・身体、農林水産業に被害を及ぼしたり、及ぼすおそれのある外来生物(侵略的外来種)の中から、規制・防除の対象とするものを、「特定外来種」として指定しています。

 

 特定外来生物は、販売・頒布目的での飼養、不正な飼養、許可のない輸入や販売、野外へ放つなどの行為に対して、個人には3年以下の懲役や300万円以下の罰金、法人には1億円以下の罰金が科されます。

 

 ここで釣りを楽しむ人たちは、このような事は理解していないようです。また、釣り糸の放棄も問題です。里山周辺の環境整備の際、この放棄された釣り糸が刈り払い機に巻き付き作業効率を低下させるのです。これらの問題解決にあたっては、NPOや個人の力では限界があります。里山整備を本格的に始める際には、担当行政などの支援も必要と感じました。

 

 溜池周辺はアズマネザサや管理の行き届かない雑木林があり、イノシシによるものと推測される獣道・掘り起こし跡も確認。鳥獣対策には圃場周辺の環境整備が必要で、30mの刈り払い作業をすると野生獣の進入痕跡が激減する事が知られていますが、現実問題として作業は難しく、今後10mを目標に刈り払いを行っていく予定です。

 

 散策後は近隣のカフェ「F,café」に場所を移し、3段池周囲の持続可能な環境整備と農業体験プログラムの概要説明、子供を対象とした環境教育などについて自由に話し合いを行いました。

 

 ここで大きな話題になったのは、溜池で見たブルーギルについて。在来種に及ぼす影響や、悪化しているため池の水質、東京の井の頭公園の池の皆堀(かいほり)に参加した東京都鳥獣保護員の方より解説を受け、里山整備と溜池も一緒に整備をして行きたいという方向性が見えてきました。

 

 都市部にある里山には、中山間地域には見られない問題点を見る事ができました。持続可能な里山整備をすることで地域に活力芽生えさせ、里山の魅力を再構築することが地域を活性化していくものだと信じています。学ぶべきこと、越えていくべきことが多々ありますが、5年後・10年後の未来の大人のために、日々精進していきたいと思いました。

 

取材文・EOL里山部部長 溝越 剛

 

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