男の赤ちゃんは気候変動に弱い!? 日本の研究チームが発表

地球はいずれ女性の星に!?
地球はいずれ女性の星に!?

“気候変動が人間の男女比を変えてしまうかもしれない”

 

先週からこんな記事が英語メディアで話題になっている。そのきっかけとなったのはアメリカの科学系ウェブメディア“live science”だ。兵庫県赤穂市の福田産婦人科麻酔科に所属する福田操男医師を中心にするチームが発表した研究が元になっている。

この研究によると70年代以降、温暖化傾向にある日本において、女性と男性の胎児を比較して、男性の方に胎児性死亡のケースが多くなっている。その結果、新生児の男女比にも影響が出始めている。福田医師によれば「気候変動が男性の胎児にネガティブな影響を与えている可能性がある」という。

 

研究チームは、気象庁が記録している1968年から2012年までの月ごとの気温と、人口統計の胎児死亡と新生児のデータを比較した。そのなかで特筆すべき関係が見出されたのが1898年以降最高に暑い夏になった2010年と、大寒波に襲われた2011年の冬だった。それぞれ9ヶ月後、確実に男児の出産が減っていたという。

 

気候変動以外にも、公害や化学物質、ストレスなどが胎児に影響を与える可能性があり、それらとの関係についての検証はまだ行われていない。だが、異常気象と男児の胎児死亡に関係性あることは明らかなことだという。

 

日本人の研究者たちに続き、世界的な研究が待たれるところだ。

 

<研究報告レポート>

Climate change is associated with male:female ratios of fetal deaths and newborn infants in Japan

<記事>

Climate Change Could Alter the Human Male-Female Ratio

文 / EOL編集部

 

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