野田村だらすこ市民共同発電所で里山エネルギーカフェを実施しました!

3月20日、東日本大震災で深刻な津波被害を受けた岩手県野田村を訪ねました。今回の訪問の目的はナノ発電所体験講座の実施。ナノ発電所をわかりやすく紹介するための発電グッズをかばんに詰め込み、東北新幹線で北へと向かいました。

野田村といえば、被災者のみなさんが自分らの手でつくっただらすこ市民共同発電所で一躍有名になった地域。そんなみなさんと出会えることにワクワクして当日を迎えました。

栃木を早朝に出発し、10時ちょっと前に盛岡駅に到着。そこからクルマで2時間をかけて野田村へと向かいます。ナノ発電所体験セミナーを実施したのは野田村総合センター。このセンターは実際に津波が押し寄せた現場だといいます。

今回の講演は“草の根のように野田村から自然エネルギーを広げて行こう!”という思いで立ち上がった野田村自然エネルギー学校の取り組みの一環として企画されました。小さくてコンパクトなナノ発電所をつかって、自分たちで発電し、楽しく使ってもらうための体験講座です。


最初はまず、東日本大震災を経験して、様々な出会いからナノ発電所が誕生したきっかけについてご説明をしました。その後、ナノ発電所のパネルやバッテリーにさわってもらいながら、実際に発電した電気をつかってLEDライトをつけたり、小さなスピーカーとスマホをつなげて音楽を鳴らしたりしてみました。最後は、自然エネルギーの現状や未来について意見交換をし、無事に講座は終了しました。参加者8名という少人数の会でしたが、それぞれの方が熱心で、7名の方がナノ発電所を実際にモニターするということになり、ナノ発電所をご自宅で体験し続けてもらうことになりました。

夜の部は電話もテレビもない茅葺の古民家を宿にした苫屋さんに場所を移し、地元の薪を囲炉裏にくべながら、これからの自然エネルギーや復興のあり方について、夜遅くまで議論を続けました。

 

多くの人が犠牲になった東日本大震災。でも、それは大きな文明転換のチャンスとも言えます。そのチャンスを生かして持続可能な地域をつくりたいと必死に走っている人たちの熱い思い。今までと同じで良いと考える人たちとの軋轢。走り続けるなかで与えられたチャンスを生かせないもどかしさ。支援に対して何も返せないジレンマ。一筋縄では解決しない問題を抱えながら必死にふんばっている被災地の現状を教えてもらいました。

翌朝、だらすこ市民共同発電所へと足を運びます。被災後、仮設住宅に引きこもりがちな親父仲間に声をかけ、ものづくりで復興をと活動を始めた大沢継弥さん。その活動の中心になっただらすこ工房に隣接する土地に立てられた市民共同発電所です。

全国の多くの方の出資でできた発電所ですが、実際に単管で架台を組み立てたのはだらすこ工房に集まったおとうさんたち。まさに手づくり発電所として全国的な話題となっています。

森のなかの工房をのぞいてみると、みなさんがつくった木工製品とともに、製作の過程で出てくる木っ端や木くずにあふれています。きっとロケットストーブと相性が良いだろうと、この日のために用意したペレコを持ち出し、里山エネルギー体験も即席で実施しました。ナノ発電所では遠慮がちだった野田村のみなさんも身近感のあるロケットストーブでは大盛り上がり(笑)。前日よりも多い20名のみなさんが集まり、実際に現場でチェーンソーで木を切って燃やす人が出てきたり、だらすこ工房オリジナルのロケットストーブづくりの話題に花を咲かせたりと、楽しい会になりました。

 

最後は野田村の木で温められた鉄瓶のお茶を飲んで終了。まさに里山エネルギーカフェ@野田村だらすこ工房となりました。

野田村のみなさん、ご歓待ありがとうございました。エコロジーオンラインは引き続き、みなさんの活動を応援して行こうと思います。

エコロジーオンライン 上岡 裕

最後にだらすこ工房のおとうさん、おかあさんたちと記念撮影
最後にだらすこ工房のおとうさん、おかあさんたちと記念撮影

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