気候変動を放置すれば世界の1/6の生物種が絶滅する!

温度の上昇に弱く絶滅が危惧されるLemuroid ringtail possum Photo: EHP
温度の上昇に弱く絶滅が危惧されるLemuroid ringtail possum Photo: EHP

米コネチカット大学の研究者マーク・C・アーバン氏が「サイエンス」誌に地球温暖化が生物多様性に与える影響について研究した論文を発表した。


この論文はすでに実施された131の研究をベースにまとめられ、気候変動が野生の生物たちの生育環境に与える影響だけでなく、多くの動物の命を奪ってきた森林破壊、環境汚染、魚の乱獲などを加味してまとめられた。

オーストラリアやニュージーランド、南アフリカの動物には、他の地域で生息していない種も多く、北アメリカやヨーロッパにくらべて温暖化の影響を受けやすい。特にオーストラリアとニュージーランドは、国土の大きさも限られているため、上昇する気温にあわせて動物たちが移動することも難しい。


各国政府が現在の気候変動を放置し、平均気温の上昇が4度を超える状態になった時、世界の16%の生物種が絶滅する。私たちがそんな危機的な状況に目覚め、2度未満に気温上昇を抑える努力をしたら、4.2%にまで抑えることができるという。


米海洋大気局(NOAA)が6日、世界40か所で観測している大気中の二酸化炭素濃度の平均を発表した。それによれば今年3月、1980年の観測開始以降、大気中の濃度が初めて400ppmを超えた。気温上昇を2度未満にするためには、2100年時点で濃度を420ppmに抑えなければいけない。観測が始まった1980年に340ppm前後だったことを考えると、待ったなしの状況になっているのは間違いないのだが・・・。


One in six of world's species faces extinction due to climate change – study

CO2、初の400pp超え…化石燃料原因か


文 / 編集部



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