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歌うたう神秘のクジラ「ザトウクジラ」

ザトウクジラ / Humpback Whale

学名:Megaptera novaeangliae

Megaptera(大きな翼)という意味の通り、とても大きな胸ビレを持っています。

 

体長:約13-15メートル(哺乳類では珍しく、オスよりもメスの方が大きい)

体重:約30〜50トン

寿命:約50-65年ほど(最長で77年生きたクジラも!)

 

 

数十頭〜多いときは数百頭もの群れで行動します。

大きな口いっぱいに水を飲み込み、上アゴの内側にあるヒゲで小魚などをろ過して食べています。

なんと食べる量は1日1トン超え!

 

 

ザトウクジラは、大きくジャンプをして水面上に体を出す、「ブリーチング」と呼ばれる行動をよくします。ブリーチングを見るためにホエールウォッチングに行く人も多くいます。

間近で見られたら、とても迫力がある光景でしょうね!

 

↓ 1:59〜ブリーチングの様子が見られます

オスのみですが、ザトウクジラは歌を歌うクジラとしても有名です。

クジラ歌の成り立ちはとても複雑です。長い時には歌が数日繰り返されることもあるようです。

ザトウクジラは、その生態の多くが未だ解明されていません。

捕鯨が禁止されてからは、生息数がゆるやかに増加しています。

絶滅の心配がなくなる日も遠くないかもしれませんね。

コピー・イラスト / kawe

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「‘‘ニホン’’イタチ」なのに外来種?! (木, 08 2月 2024)
ニホンイタチ / Japanese weasel ニホンイタチってどんな動物? 日本には、ニホンイタチとシベリアイタチが生息しています。 今回取り上げるのは、ニホンイタチ。シベリアイタチと比べると体は一回り小さく、尻尾が短いのが特徴です。 このシベリアイタチとの生存競争に負けてしまったために、生息数が減り、絶滅危惧種になってしまったと言われています。   ↓シベリアイタチについて知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。 外来種だけど絶滅危惧?!対馬の「シベリアイタチ」     平均寿命は1.9歳。シベリアイタチと同じく、とても短いですね。   体長は、オスが27-37cm、メスが16-25cm。 尾の長さは、オスが12-16cm、メスが7-9cm。 体重は、オスが290-650g、メスが115-175g。   こんな感じで、オスとメスで体の大きさにかなりの違いがあります。     一夫多妻制で泳ぐことも得意。川や湿地など、水辺に近い場所に生息しています。 主に食べるのはネズミや鳥類、両生類、昆虫、魚類など。植物も食べます。   魚を捕らえる貴重な動画がありました。埋め込みができないようなので、気になる方は下のリンクから見に行ってみてください。(YouTubeへのリンクです)   「日本の動物 魚を襲うニホンイタチ」 https://youtu.be/R2AGcS2xeKk?si=vS22EJnax79Hy8_V 「日本の動物 水中(underwater)で魚を捕食するニホンイタチ」 https://youtu.be/pFHTjCdSY6g?si=88PqWZtjvJ1PWw1Q イタチといえば、2本足で立って周りを伺う姿が印象的です。かわいいですね。 ここでイタチが関係している言葉をひとつ。 みなさん、太陽の光が眩しい時に、手を目の上にかざして遠くを見たことがありますよね? イタチが人を見る時にも同じ行動をするという俗信があり、そこから、疑わしげに人を見るようすを「鼬(いたち)の目陰(まかげ)」と言うようになったそうです。 日本固有種のニホンイタチが、沖縄県では侵略的外来種に?! ニホンイタチはもともと、本州、四国、九州などに分布していましたが、農業被害などをもたらすネズミ類への対策のため、北海道や伊豆諸島南部、南西諸島、沖縄県などに導入され、今では日本全域に分布しています。   沖縄県のいくつかの島では、ニホンイタチが導入されたことで、在来動物の個体数が減少・絶滅してしまった可能性があるということも言われています。   稀少な爬虫類や両生類が捕食されており、沖縄県では、ニホンイタチが生態系に重大な悪影響を及ぼすとして、「沖縄県対策外来種リスト」の中でも優先順位の高い「重点対策種」として指定。 さらに、シベリアイタチと同じ「日本の侵略的外来種ワースト100」にも指定されています。   <ここでちょっと解説> ■日本の固有種がなんで外来種になるの? 外来種とは、人間によって生息していない地域に持ち込まれた生き物のことです。 外国から日本へ持ち込まれた生き物だけでなく、例えば本州から北海道へ、北海道から九州へ、、 といった具合に、日本国内の島から島へ運ばれた生き物も、外来種ということになります。 そのため、日本の固有種であるニホンイタチも外来種になることがあります。   ■「沖縄県対策外来種リスト」とは? 沖縄県では、島ごとに多くの固有種が生息しており、日本全体の中でも生物多様性の高い地域です。 そこで、沖縄県固有の生き物、そして人や農林水産業などを守るために「沖縄県対策外来種リスト」というものを出しています。 コピー・イラスト / kawe
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かわいい「ラッコ」はどこへ行った!? (Tue, 30 Jan 2024)
ラッコ / 海獺 / Sea otter 水族館で人気のラッコが、絶滅危惧種?! その可愛さからもファンが多いラッコ。 水族館などでよく見るイメージがあるかと思いますが、実はラッコは、絶滅危惧種のレッドリストの中でも絶滅の危険が非常に高い「絶滅危惧IA類」に指定されています。 水族館で見られるラッコも、今ではかなり少なくなってきています。     ラッコってどんな動物? ラッコは、北アメリカとアジアの太平洋沿岸に生息しています。 日本では、北海道で見ることができます。   体重は約15〜45kg、体長は約100〜150cm。 平均寿命は、野生では約15年、飼育下では約20年です。   鼻はひし形で、尾は平べったい形。 水の中に入っているときは、鼻と耳を閉じることができます。 顔の毛の色は赤ちゃんの頃は茶色ですが、3歳を過ぎる頃から、年齢を重ねるにつれだんだん白くなっていきます。   わきの下のたるみをポケットのようにして、お気に入りの石や食べきれなかった貝などをしまいこむ癖があります。 鳥羽水族館YouTubeにわかりやすい動画がありました。 ラッコは海の沿岸部や、海岸から1km以内の場所に生息しており、一生のほとんどを海の中で過ごします。   食事をしたり眠ったりするときには、流されないように海藻を体に巻き付けたり、つかまったりするそうです。 ラッコ同士、手を繋いで休むことも。 水族館でも手を繋いでいる姿は大人気。誰もがメロメロになってしまう可愛さですね。 ラッコは食いしん坊? ラッコは肉食で、主に貝類や甲殻類、ウニ類などを食べます。魚類や海鳥を食べることもあります。   皮下脂肪が少ないため、体温を維持するために1日に体重の約4分の1〜5分の1の量の食べ物を食べる必要があります。 ラッコは30kgほどなので、1日に約6〜9kg食べなければなりません。 これは、50kgの人間に置き換えると、1日に10〜15kgも食べるということになります。 驚きの量ですが、ラッコはただの食いしん坊ではなく、生きるために食べているのですね。     そしてラッコと言えば、貝などの硬い食べ物をお腹の上に乗せた石に叩きつけて割り、中身を食べる行動が有名ですが、住む地域によっては叩きつける必要がないものを食べるため、この行動をしないラッコもいます。   水族館では、展示用のガラスや石に叩きつけて割ることも多いようですが、なんと2009年には、愛知県の豊橋総合動植物公園で飼育されていたラッコのヤヨイ(メス・15歳)が、数年にわたりエサの貝殻をガラスに打ち付けて食べていたところ、とうとうガラスも耐えられなくなり、強化ガラスであるにも関わらずヒビが入ったことがあるそうです。   ラッコの力を侮ることなかれ。。 ラッコにとって大切な、毛皮と毛づくろい 全身に約8億本もの体毛が生えているラッコ。 特にお腹の毛は、ほ乳類の中でも密度がとても高いと言われています。 ちなみに、人間の体毛は500万本、髪は10万本だそうです。ラッコ、すごい。   しかし、すごいのは毛の多さだけではありません。 毛づくろい(グルーミング)をして毛と毛の間に空気の層をつくり、冷たい水が直接皮膚に触れないようにすることで、体温を保つことができるのです。   Xで話題になったこのほっぺたをむにむにする可愛い仕草も、毛づくろいだそうです。   https://x.com/mayu_kko/status/1556097751934726145?s=20     冷たい水の中でもラッコが生きられるのは、この毛のおかげなのです。 毛が汚れてしまうと、体温をうまく調節できなくなってしまうため、ラッコは1日5〜6時間も毛づくろいをしなくてはいけません。     この優れた保温機能を求めて、毛皮を目的にラッコは世界中で乱獲されてしまいます。 日本でも平安時代から乱獲され、絶滅寸前にまで数が減ってしまいました。 そこで、明治時代の1912年には、ラッコやオットセイの捕獲を禁止する「臘虎膃肭獣猟獲取締法(らっこおっとせいりょうかくとりしまりほう)」が公布されました。   乱獲されたり、漁業の網にかかってしまったり、タンカー事故で流出した原油の被害にあったり、世界中でラッコの生息数が減ってしまった原因には、いろいろなものがあります。     現在、水族館で会えるラッコは3頭のみ! 1982年、アラスカから静岡県の「伊豆・三津シーパラダイス」に初めてラッコが来ました。 1984年に三重県の「鳥羽水族館」で日本初のラッコの赤ちゃんが誕生したことから、ラッコブームが始まったと言われています。当時は3時間の行列ができるほどの人気ぶりだったそう。   しかしその後、ラッコの個体数が減ったために、ワシントン条約で国際取引が禁止とされました。 水族館での繁殖も難しいため、日本の水族館ではラッコがどんどん減っている状況です。 ピークである1994年には122頭が飼育されていましたが、2024年1月現在、日本国内で見られるのは3頭のみとなっています。   そのうちの2頭が、三重県の「鳥羽水族館」、 1頭が、福岡県の「マリンワールド海の中道」で飼育されています。 鳥羽水族館は、絶滅危惧種のジュゴンを日本で唯一見ることができる水族館でもあります。 ご興味があれば会いに行ってみてくださいね。       20世紀初頭には、ラッコは2000頭以下にまで減ってしまいましたが、法が制定されるなど保護活動が盛んに行われたことにより、少しずつ生息数は増え、今では10〜15万頭にまで回復しています。 一方、水族館では今後見られなくなってしまうかもしれないと言われています。   北海道でも、少しづつ野生のラッコが増えてきているようです。   広い海にぷかぷかと浮かぶ、平和なラッコたちに癒されます。 コピー・イラスト / kawe
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