世界中で、遺伝子組み換え作物(GMO)の育成に欠かせないとされる殺虫剤や除草剤がミツバチの大量死の原因ではないかといわれて久しいが、バイオテクノロジー大手のモンサントがミツバチの研究や保護に献身してきたBeeologics社を昨年9月に買収していたことがわかった。モンサントがBeeologics社の蜂群崩壊症候群(CCD)に関する情報や製品を管理することが可能になったわけだ。4月26日付のNtural New.comに掲載された。
Beeologics社では2007年からCCDおよびイスラエル急性麻痺ウィルス(IAPV)の研究をしてきた。同社は予防的処置よりも干渉的処置を取ることが世界的なミツバチ危機の解決のカギだという立場を取っていた。
モンサントの傘下に入ったことで、モンサントのテクノロジーに関連するCCDやIAPVの本当の原因について、Beeologicsが今後取り扱うことは確実になくなるだろう。つまり今後は、GMOとCCDの関連を否定するような科学的発見を発表し、またその撲滅にさらなる農薬を必要とするような未知の病原菌などをCCDの原因に仕立て上げられることが懸念される。
モンサントが同社のGMO製品に脅威を与える競合他社を次々と買収し続けるかぎり、ミツバチにとって将来はあまり明るくなさそうだ。ミツバチが農作物生産や生態系維持のために果たす役割はあまりにも大きい。このままでは、現在の食糧供給というものはすぐに過去のものと化してしまうかもしれない。
翻訳サポート/中野よしえ
文/温野まき
コメントをお書きください