福島第一原子力発電所で起きた原発の事故は、まだ解決の道筋さえ見えてこない。一方、安全で、発電時にCO2を排出せず、資源が枯れる心配もない「自然エネルギー」への転換を求める声が高まっている。
日本がお手本にしたい国の一つがドイツだ。日本での原発事故後、世界に先駆けて脱原発を表明。また、電力消費に占める自然エネルギーの割合を、2020年までに35%に高めることに決めて自然エネルギーの普及に取り組み、2011年の前半には20%を超えた。
ドイツ市民の取り組みにも注目したい。ドイツ南西部の「黒い森」に囲まれたシェーナウ市では、チェルノブイリの原発事故後、子どもの未来を守るために親たちが立ち上がり、1997年に自然エネルギーの電力会社を誕生させている。
この電力会社の誕生までを紹介する映画がある。『シェーナウの想い』という映画で、日本でも見ることができる。この映画とドイツで出会った「自然エネルギー社会をめざすネットワーク」という会が、日本語の字幕版を制作し、各地の上映希望団体にDVDを貸し出している。同会のWebサイトで上映会の情報を提供しているので、近くで上映されるときにぜひ見てほしい。
文/岩間敏彦
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