五輪開催でさらなる注目が集まる、原発事故への対応

 2020年の夏期五輪の東京での開催が決定した。勝因には、関係者一丸で行ったロビー活動はもちろんのこと、日本の治安の良さや安全面が高く評価されたためとされている。

 

 その安全性において、今もっとも海外メディアの注目を集めているのが福島第一原子力発電所の事故処理だ。「1日300トンの高濃度汚染水が海に流出している状況をどうするのか」などの質問があがると、「国が470億円を投じて対応する」「凍土遮水壁などの基本方針を実施する」などと回答。安倍晋三首相も「原子力発電の比率は引き下げていく。今後3年程度の間に再生可能エネルギー普及、省エネルギー推進を最大限加速させていく」と日本のエネルギー政策にも言及した。首相のエネルギー政策といえば、つい先日「原子力発電を基幹エネルギーにするようエネルギー基本計画に明記する」と国内で報道されたばかり。その整合性も今後問われていくことになる。

 

 原子力発電は一度に大きなエネルギーを得られる利点がある一方、事故以降、リスクや課題が国内外で議論されているエネルギー源だ。世界の注目が集まるなか、私たち一人ひとりもこれまで以上に関心をもって考えていかなければならない。

 

文/中島まゆみ

 

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