ソーラーシェアリング考案者、長島彬さんを訪ねました。

ソーラーシェアリングの考案者長島彬さんとの記念写真

 桜の花が散り、新緑がとって変わろうとする4月9日、千葉県市原市にあるCHO技術研究所のソーラーシェアリング実証実験場を訪ねた。出迎えてくれたのはまばゆいばかりの里山の光景とソーラーシェアリング発案者の長島彬さん。農水省も推奨する農村への再生可能エネルギー導入の切り札とも言える技術を考案し、多くの方に使ってもらいたいという思いで無償提供する長島さんは、いま全国で引っ張りだこの存在だ。

実証実験をして農作物を育てるソーラーシェアリング

   耕作放棄地に太陽光発電を設置しようという動きはよく見かける。ただし、太陽光発電が設置されるとそこでの農業は不可能になる。そういう意味で考えなしに進めることはできない。地域で協議会をつくり、しっかりと営農の可能性を把握し、ここはもう無理だろうとなった場合、初めて地域にメリットがあるような形で設置される。農水省もこのような体制がとれればスムーズに許可が下ろせるような体制をつくった。ただ、長島さんのソーラーシェアリングはこれとは発想が異なる。太陽光発電の下で農業を続けてしまおうというのだ。長島さんは太陽の光をソーラーパネルと作物がシェアするから、ソーラーシェアリングと名付けた。海や湖に浮かべれば漁業とのソーラーシェアリングだって可能になる。

市原の二つ目のソーラーシェアリング

 太陽の光をソーラーパネルに奪われた作物は大丈夫なのかと心配になる人もいるだろう。ソーラーシェアリングの場合、日光を全面的に遮るような形での設置はしない。パネルは小さめ、パネルとパネルの間に空間があるから、太陽の移動によって影となる部分も移動する。そのため、日光が全く当たらないということにはならない。それでも確かに日当たりは悪くなる。 ただ、植物は元々、太陽光のすべてを活用しているわけではない。逆に私たち人間同様、強い日光をどのように避けるかということも植物が生き残る意味で重要なファクターとなる。その秘密を知ったことが長島さんを動かしたきっかけでもあった。

今後のソーラーシェアリングの主力70Wソーラーパネル

 脱原発を成し遂げるために再生可能エネルギーの大量導入が必要になる。ただでさえ狭い日本の国土にどうやって再生可能エネルギーを増やすか。そこで長島さんのアイデアが重要になる。すでに他のものに活用している土地で自然なエネルギーを収穫する。不安定な農業を安定させ、地域に資金を還流することができれば、二重の素晴らしさを持つ。

 

 立ち上がったばかりの里山エネルギー株式会社だが、こうした先人の教えをいただきつつ、地球にも、里にもやさしいエネルギーを模索して行きたいと思う。長島さん、お世話になりました。

ソーラーシェアリングのすすめ http://www.d3.dion.ne.jp/~higashi9/sola1.htm

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コメント: 1
  • #1

    長島 彬 (土曜日, 24 5月 2014 02:54)

    5月24日 ご報告見せて頂きました。ありがとうございました。

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