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野性では生き残れない!? フタコブラクダは絶滅寸前

その名の通り、背中の「コブ」が2つあるのが特徴。

 

人間の乱獲、オオカミの群れによる捕食など、さまざまな原因で野生のラクダの数は激減している。

 

野生のラクダは驚くほど強健で、彼らのコブは、水や食物が手に入らないときに水分とエネルギーに変換される脂肪を蓄積する機能を果たす。

 

このコブのおかげで厳しい砂漠環境でも、水なしで長期間移動できる。

 

妊娠期間は約13ヶ月と長いため、野生のラクダの個体数の回復には時間がかかる。

コピー・イラスト / kawe

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ダーウィンが発見!キツネじゃないキツネ / ダーウィンギツネ (木, 08 12月 2022)
ダーウィンギツネ / Darwin's fox ダーウィンギツネの特徴 ダーウィンギツネは、その名の通り「チャールズ・ダーウィン」によって1834年に発見され、名付けられました。 チリにだけ住んでいる、チリの固有種です。   ふさふさのしっぽと、三角形の大きな耳を持っています。 体の大きさは約53cm、尻尾は約22cmとかなり小柄で、オスもメスも体の大きさはあまり変わらないようです。 足は短いので、胴の長さが実際より長く見えるんだとか。 ダーウィンギツネはキツネじゃない?! 実は、ダーウィンギツネは本物のキツネではありません。   ダーウィンギツネは、アカギツネやホッキョクギツネなどが属するキツネ属ではなく、スジオイヌ属に属しています。 スジオイヌ属は、オオカミやジャッカルに近い種です。   ダーウィンは、彼らを発見した時に自分の名前をとって「ダーウィンギツネ」と命名しましたが、後に研究をした結果、キツネではないと分かったという話があります。 それでも、ダーウィンが「キツネ」と言うのなら、オオカミだろうと「キツネ」なのです。   ↓ダーウィンギツネの鳴き声は、こんな感じです。(※びっくり注意) 少し犬の鳴き声にも似ているかもしれませんね。 ダーウィンギツネの生態 ダーウィンギツネは雑食で、昆虫やナッツ、フルーツや腐っている肉まで、消化できるものならなんでも食べます。   そして好奇心が強く、人間を恐れません。   ↓こんな風にカメラマンがいても、あまり気にしていない様子です。 ダーウィンギツネは基本単独で行動し、自分たちの縄張りを守ったりもしません。 オスもメスも、生活範囲に他のキツネがいても何も気にしないようです。 ピューマや猛禽(もうきん)類などの天敵がいない限り、住んでいる地域では食物連鎖の頂点に立ちます。 なぜ絶滅危惧種になってしまったの? 彼らが絶滅危惧種になってしまった原因としては、 光沢のある上質な毛皮を目的として狩られてしまうこと 伝染病にかかって死亡してしまうこと さらにはその伝染病を家畜にうつされることを恐れた農家などによって撃たれてしまうこと などによるものだと考えられています。   チリでは、ダーウィンギツネを守るために生活環境を整えたり、ワクチンを打つなどの保護活動が進められています。   2021年には、639匹の大人のダーウィンギツネが確認されています。保護活動により今のところ数は安定しているようですが、いまだに絶滅の危機にさらされています。 コピー・イラスト / kawe
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謎多きピンク色の捕食者 -アマゾンカワイルカ- (Tue, 08 Nov 2022)
アマゾンカワイルカ / Amazon river dolphin みなさんは、ピンク色のイルカを見たことがありますか? ファンタジーのような話ですが、世界にはピンクイルカのようなおもしろい生き物がたくさん存在しています。   今回取り上げるのは、「アマゾンカワイルカ」。別名ピンクイルカとも呼ばれています。 彼らはピンク色や淡いブルー、灰色の体をしています。 アマゾンカワイルカは、主に南アメリカのアマゾン川周辺に住んでいます。 海に住むイルカもいれば、川に住むイルカもいるようです。   カワイルカは他にも数種類いますが、それらはまとめて「Boto」とも呼ばれています。 アマゾンカワイルカはその中でも一番大きな体を持ちます。   障害物もへっちゃら!アマゾンカワイルカの特徴 アマゾンでは、雨季に森が水に浸かってしまう「浸水林」と呼ばれる現象が起きます。 なんとこの時期は、水位がいつもより約12メートル上がることも…!   アマゾンカワイルカの背びれは、そんな浸水林となったアマゾン川の中でも引っかからずに泳げるように、こぶのように退化したんだとか。 さらに、隙間に隠れた獲物も、長い口先で器用に捕まえることができます。   出っぱっているおでこの脂肪は、「メロン」と呼ばれています 可愛いですね。 なんで体がピンク色なの? 子どものころはだいたい灰色や青色のような色をしていますが、大人になるにつれ、だんだんピンク色に近づいていきます。 一般的に歳をとったオスは、よりピンク色になると言われています。     ピンク色の動物といえば、フラミンゴを思いつく方が多いかと思います。 フラミンゴは食べる物によって体がピンク色になりますが、アマゾンカワイルカはそうではありません。 彼らはメスをめぐって他のイルカと争ったり、体が岩や植物にこすれたりすることによって、体がピンク色になります。そのため、体の表面には基本的に傷がついています。 皮膚の色素が弱く、毛細血管がすけて見えるため、ピンク色をしているイルカもいるようです。 濁った水の中も自由自在に泳げるヒミツ ↓濁っているアマゾン川の中を泳ぐアマゾンカワイルカ かなり濁った水の中も、平気で泳いでいる様子。   川の中には、岩や植物などの障害物がたくさんありますが、かなり濁っているため、実は目はあまり役に立ちません。 そのため、アマゾンカワイルカの目は小さく退化し、視力も良くはありません。   そこで、彼らは目で見る代わりに「エコーロケーション」を使います。 エコーロケーションは、クジラやコウモリ、鳥など1000種以上の動物が使っています。   アマゾンカワイルカの場合、頭にある “メロン” から出した超音波の反響によって、魚やモノの距離や位置、大きさなどが分かります。   常に自分の身の回りの状況を把握するため、一秒間に約80回、クリックスと呼ばれる音を出します。そうすることで、複雑な川の中の情報も分かるのです。 ↓1:14ごろ〜 エコーロケーションの時に出すのはこんな音。 海のイルカとどう違うの? アマゾンカワイルカは川という環境に適応するため、海に住むイルカとは少し違う進化を遂げました。 海に住むイルカは速さに、川に住むイルカは機敏性に特化した体を持っているのだそう。   海に住むイルカは、早く泳げるように弓のような体の形をしています。 そして首にある椎骨(ついこつ)と呼ばれる骨がくっ付いているため、首をあまり動かすことができません。   それに比べて川に住むイルカは、椎骨がくっ付いていないため、首をかなりいろいろな方向に動かすことができます。上の動画でも、首をあちこちに動かしていますね。   泳ぎの速さは、海に住むイルカよりのんびりですが、体がとても柔らかく機動性もあるので、浅いところから狭いところまで、障害がたくさんある川の中も自由自在に泳ぐことができます。   アマゾンカワイルカは毎日、自分の体の約5%分の食べ物を食べます。 アマゾン川には、ピラニアやカニ、カメなど様々な生き物が泳いでいます。 ここでの食物連鎖の頂点であるアマゾンカワイルカにとっては、まさに食べ物の宝庫です。 サメなどの天敵もいないため、海よりも暮らしやすいと言うイルカもいるとかいないとか・・・  謎だらけのアマゾンカワイルカ 少しずつ生態がわかってきたものの、これらはほんの一部にしか過ぎません。 彼らの住むアマゾン川はとても濁っているため、水中の調査をすることが困難です。そのため、アマゾンカワイルカについてはまだまだわからないことばかりです。   漁船の網に絡まって死亡してしまったり、工場や生活排水による川の汚染、ダム建設により住む場所を奪われたりするなど様々な要因でアマゾンカワイルカの数は減り、絶滅の危機にあります。     彼らを保護するために、今も多くの研究者たちが謎を解明しようと奮闘しています。   コピー・イラスト / kawe
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ペットにしたいと人気のカワウソも絶滅危惧種!?第二のニホンカワウソを生まないために (Thu, 11 Aug 2022)
ユーラシアカワウソ / Eurasian Otter ユーラシアカワウソは、食肉目イタチ科カワウソ属に分類されます。 カワウソ属は世界に13種類おり、彼らはそれぞれに生息する地域や環境に合わせて独自の進化をしてきました。 その中で最も広い生息域を持つのがユーラシアカワウソです。   ↓世界ではこんな野生のユーラシアカワウソが見られることも。   カワウソ属には、人気の高いコツメカワウソや、意外なことにラッコも属しています。 水族館などでもよく見るため身近な存在に感じますが、実はどちらも絶滅危惧種に指定されています。   かつて日本には、特別天然記念物にも指定されたニホンカワウソがいました。 ニホンカワウソは上質な毛皮を目的とした乱獲、森林伐採による環境破壊、河川の開発・工事による獲物の減少、農業や生活・工業排水による水質汚染、そして害獣として駆除されたことなどにより、 1979年8月に高知で撮影された個体を最後に、1980年代に絶滅してしまったと考えられています。   ↓アクアマリンふくしまに展示されている最後のニホンカワウソの姿 ユーラシアカワウソは、コツメカワウソよりも一回り以上大きな体をしています。 平たい体と尾、そして手足の指の間に水掻きを持っています。 これらの特徴のように水の抵抗を受けにくい身体を持っているため泳ぎが大の得意で、目にも止まらぬ速さで泳ぐことができます。もし水族館などで遭遇したら、泳ぎに注目してみてください。 ニホンカワウソと同様の理由で、ユーラシアカワウソも世界中で絶滅の危機にさらされています。   人気のコツメカワウソを筆頭に、今、カワウソはペットとしての需要が非常に高まっており、それによる密猟が問題となっています。 可愛いカワウソをペットとして飼いたい気持ちもわかりますが、野生生物であるカワウソを自宅で飼育するのは非常に困難であり、カワウソにもかなりの負担がかかってしまいます。 ユーラシアカワウソを含むカワウソたちの現状についてまずは知ることから始め、彼らのために今、私たちにできることをよく考えてみましょう。   もっとユーラシアカワウソについて知りたい方は、8/28(日)まで「特報どうぶつSDGs」内にて楽しく解説しています。是非ご覧ください。 ↓公式HP https://mirai.iicoto.info/ コピー・イラスト / kawe
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その鮮やかさは自己防衛のため!?神秘的でキケンなカエルの世界 (Wed, 29 Jun 2022)
イチゴヤドクガエル / モウドクフキヤガエル / アカメアマガエル 今回は中央アメリカの熱帯雨林に住む、色鮮やかなカエルを3種類ご紹介します。   まずは1匹目。左の赤色のカエルが、 イチゴヤドクガエル(Strawberry poison-dart frog)です。 その名の通り毒があり、イチゴのような派手な警告色を持っています。   なぜこんな派手な見た目をしているかというと、 あえて外敵に目立ちやすい体の色や模様を持つことで、" 手を出すと危険だぞ ” と警告し、自身の安全を確保しているからだと考えられています。   この警告色というものは、私たち人間の社会でも使われています。 信号機や看板、天気予報などで赤や黄色を見ると反射的に「危険だ」と感じることがあると思います。テントウムシなんかも警告色を持っている虫です。   ちなみに、手足にジーンズを履いているかのような色をしているため、ブルージーンズと呼ばれることもあります。お洒落ですね。   親ガエルは、卵からふ化した幼生(オタマジャクシ)を、安全な水場まで背中に乗せて運びます。 ↓ 1:17の姿がなんとも愛らしいです。 そして、オタマジャクシが成長するまで、親ガエル自らが産んだ無精卵を食べ物として与える「エッグフィーダー」という変わった繁殖形態を持ちます。 ↓ 2:57〜 卵を与えている様子が見られます 2匹目。 右の黄色いカエルが モウドクフキヤガエル(Golden poison frog)です。 コロンビアの太平洋岸に広がる熱帯雨林のごく一部に生息していますが、熱帯雨林が減少していることにより、絶滅が危惧されています。   イチゴヤドクガエルと同様に警告色を持ち、モウドクフキヤガエルは世界で最も毒性の強い動物のうちの1つと考えられています。   体長5センチほどの個体1匹で、なんと約15人もの人間を死に至らしめるのに十分な毒を持っています。万が一野生で見つけても、絶対に触ってはダメですよ!   コロンビアの先住民は何世紀もの間、その強力な毒を吹き矢の先に塗って狩りに利用していました。それがこのカエルの名前の由来となっているようです。   イチゴヤドクガエルやモウドクフキヤガエルが属するヤドクガエル科の多くは、毒を大量に持っています。 しかし、この猛毒はカエル自身が体内で作っているものではなく、毒を持つ昆虫などを食べることによって体内に毒を蓄えているものと考えられています。 人工飼育下で繁殖し、本来の生息地に住む昆虫を食べずに育てた個体は、毒を持たないようです。 ↓こんな風に餌を与えられている個体は毒を持っていませんのでご安心を! 最後、3匹目。 後ろで跳ねている緑色の2匹が アカメアマガエル(Red-eyed tree frog)です。 学名は「Agalychnis callidryas」。 callidryasは「美しい木の妖精」という意味です。素敵な名前ですね。   毒はなく、赤い目とオレンジ色の手足を持っています。 その印象的な姿から、世界で最も有名なカエルとも言われているとか。    夜行性で、昼間は葉に留まって休んだり寝たりしています。 休む時には、目を閉じ手足をたたみ込んで、ぺたーっとうつ伏せになり体表面積を減らすことで乾燥を防ぎます。 ↓ 2:20くらいから「ぺたーっ」としているところが見られます。 この時、眼や腹部、四肢の鮮やかな色彩が見えず、背面の緑色が見えるため、葉と区別しづらくなります。   アカメアマガエルがこの特徴的な真っ赤な目を持つようになった理由は、ほんの一瞬でも敵にショックを与えて食べるのをためらわせるためだ、というのが専門家の間での通説らしいです。 鮮やかな四肢と体側のまだら模様も同じく、敵に襲われたときにジャンプをすることで驚かせ、その隙に逃げるためにあると考えられています。   瞼は透明で金色の網目模様が入っています。 ↓ こんな風に。綺麗ですね〜。 イラスト・コピー / kawe
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野生のコウノトリが日本の空で再び羽ばたけるように・・・ (Fri, 06 May 2022)
コウノトリ/Oriental White Stork   コウノトリは兵庫県の県鳥であり、1956年には国の特別天然記念物に指定されています。 世界で極東地域にのみ生息する大型の肉食性鳥類であり, 湿地生態系の食物連鎖の頂点に立つ鳥です。 越冬のために日本に渡ってくることもあります。   残念ながら1971年に日本に生息する野生のコウノトリは絶滅してしまいました。 絶滅してしまった日本や韓国では、各国と連携しながら野生復帰事業を進めています。     コウノトリは、ヒナのうちは鳴くことができますが、 成鳥になると鳴き声を出すことができなくなります。   そのため、上下の嘴をカスタネットのように打ち鳴らして音を出す 「クラッタリング」という方法でコミュニケーションをとります。約2km先にも届くとか。   ↓(0:34〜)クラッタリングの音はこんな感じ。面白いですね。 かつて国内では、マツなどの高木の樹上に営巣していましたが、 営巣に適した高木がほとんどなくなった現在では、人工巣塔をはじめ 電柱や鉄塔などの人工物の上で営巣しています。   オスメス交代で卵を抱え、ヒナが生まれると、親鳥は巣の中にエサを吐き戻して与え、 ヒナは吐き出されたエサを自分の力で食べます。口移しでエサを与えたりはしません。 コウノトリのカップルは「一生添い遂げる」と言われているほど、相手を慎重に選びます。       コウノトリの日本最後の生息地となった兵庫県豊岡町には、 兵庫県立コウノトリの郷公園(公式HPリンク) という研究施設があります。   豊岡市では、農薬の散布を控え、無農薬栽培に切り替えるなど コウノトリの保全に力を入れており、コウノトリが住めるように環境を整備しています。 ↓兵庫県豊岡市「コウノトリの郷公園」での放鳥や保全活動の様子が見られます。   1971年 日本に生息する野生のコウノトリの絶滅以降、 1988年 東京都多摩動物公園が飼育下ではじめて繁殖に成功しました。 その後、飼育個体数は順調に数を増やしていき、 2005年 野生のコウノトリ復活を目的に兵庫県立コウノトリの郷公園により放鳥が開始されます。   少しづつ、着実に個体数が回復。 そして、2022年4月27日現在 日本国内での野外生息個体数は246羽になりました。     3月22日には兵庫県豊岡市内の人口巣塔で今シーズン初めてヒナがふ化しました。 4月から5月にかけては多くのヒナがふ化する時期です。   今現在、栃木県小山市では渡良瀬遊水地の人口巣塔にいるコウノトリのライブ配信をしています。 癒されます。 「生井桜づつみ 見守りカメラ」     コウノトリにはファンが多く、足に付いている足環で個体検索までできるので、 個体番号で一羽づつ識別しながらバードウォッチングを楽しむ人々も多くいます。 最近は、コウノトリ初の離婚騒動でざわついているようです。 もしコウノトリを見かけたら、ぜひ個体検索をしてみてください。   野生復帰したコウノトリと人がまた共生できる未来のために、 今も多くの施設・企業・団体などが尽力しています。 今後もコウノトリとその活動を見守っていけたらと思います。 コピー・イラスト / kawe
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