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【RADIO SAMAMOTO】海洋に消えるプラスチックごみの行く先

海洋ゴミの被害を受けるアザラシ Nels Israelson / CC BY-NC 2.0
海洋ゴミの被害を受けるアザラシ Nels Israelson / CC BY-NC 2.0

海洋のプラスチック汚染が盛んに報道されるようになりましたね。

 

その大きなきっかけになったのがコスタリカの沖で捕獲されたウミガメの映像。ウミガメの研究に関わっているスタッフが、カメの鼻につまった異物を除去するビデオが世界中で話題になりました。

 

なんと長いままのストローがカメの鼻につまっていたのです。

 

みなさんも海に流れ出たプラスチックごみが海岸に漂着して砂浜をゴミの山に変えてしまっている映像を見たことがあると思います。

腐ることのないプラスチックとの出会いは人間の暮らしを豊かにしました。プラスチック容器を使えば、長く衛生的に食品を保管することができるし、自然生まれの素材と違ってとにかく長く使えるものがつくれる。石油から化学的につくられ、加工のしやすいプラスチックは、大量消費社会を支える花形でした。しかしその結果、自然に分解されづらいプラスチックが大量に廃棄され、海洋が汚染される結果になりました。

 

女性冒険家アリソン・ティールさんがモルディブのプラスチックゴミの現状を伝えたビデオ

つい先日も海岸に打ち上げられたクジラの胃袋を解剖したらプラスチックごみが出てきたというニュースも話題になりました。クジラの胃袋のなかで生き残ったピノキオは物語になりますが、プラスチックが消化されずにクジラを苦しめているなんてお話になりませんよね。

>>打ち上げのシロナガスクジラ赤ちゃん 胃からプラスチック 

怖い話でいうと、先月、ウィーンの学会で発表された研究で人間のカラダもプラスチックに汚染されていることがわかりました。日本、イギリス、イタリア、オランダ、オーストリア、ポーランド、フィンランド、ロシアから一人ずつ、8人の大便を調査したところ、全員の便から平均して10グラムで20個のマイクロプラスチックが見つかったといいます。

歯みがき粉や洗顔料に「スクラブ」として使われる「マイクロビーズ」や、海洋に流れ出たプラスチックが、波の力や紫外線などによって小さく砕かれ、5ミリ以下になったマイクロプラスチック。その小さな破片が私たちが食べている海産物のなかに紛れ込み、私たちのカラダもむしばみ始めたのです。

プラスチックがどのように人間のカラダに影響を与えるかはまだよくわかってはいません。でも、カラダに良いわけないですよね。まさに地球温暖化とともに私たち世代が何とかしないといけない問題です。

>>微少プラごみ、人の便からも検出 日本など世界8人調査

この問題について日本でも環境省が本腰をあげてとりくむことが伝えられています。使い捨てプラスチックの排出量を30年までに25%減らすことを目標にレジ袋などの有料化の義務付けを検討するのだといいます。海の向こうのシアトルではプラスチック製のストローや使い捨てのフォーク、ナイフ、スプーンについてはすでに禁止の措置がとられました。

国内のレストランや食堂も、ストローをなくしたり、紙に変えたり、生分解性のものに変えたりするお店も出てきました。目先の利益だけを考えて何の対策もせずに自然破壊をそのままに放置すれば将来の漁業被害や健康被害などに、大きなコストとして跳ね返ってきます。脱使い捨てプラスチック社会をつくるべくしっかりとチャレンジしたいですね。

*本原稿は「RADIO SAKAMOTO」出演時のコメントを再編集したものです。

<参照リンク>
RADIO SAKAMOTO

エコロジーオンライン理事長 / 上岡 裕

www.eco-online.org Blog Feed

【RADIO SAMAMOTO】海洋に消えるプラスチックごみの行く先 (月, 05 11月 2018)
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9/2 上岡理事長が「RADIO SAKAMOTO」に出演 (Mon, 03 Sep 2018)
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