宝酒造の環境活動の収支指標 「緑字」とは

 企業などが行うエコ活動、社会貢献活動の成果を世の中に公表するために作られるCSR報告書。毎年さまざまな工夫をこらした報告書が発行されているが、なかでもユニークなものを1つ紹介しよう。宝酒造の「緑字(りょくじ)企業報告書」だ。

 

 企業が物やサービスを売って利益を出した際には「黒字」、反対に損を出した場合は「赤字」という言葉を使うが、同社では、環境面での企業活動の成果に対して「緑字」という言葉を用いる。報告書では、CO2の削減や環境ボランティアの推進など10項目を設定。その改善率を「1ECO(エコ)」という指標で表しており、活動の成果がわかりやすい。

 

 そのほか特徴的なのが、ECOを導き出す過程で一般の人も参加できる点だ。開始当初は専門家や社内担当者だけでその基準が決められていたが、現在はインターネットを通じて、市民の意見が反映されるようになっており、2008年~10年度には約15000名もの人が投票に参加した。

 

 CSR報告書の多くは内容を詰め込みすぎるあまり、読みづらいものが少なくない。緑字企業報告書は、市民や消費者にとって、まずは“わかりやすい”ことが第一であることを示している。

 

文/田中一整

 

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コメント: 1
  • #1

    ecologyonline (木曜日, 07 6月 2012 18:19)

    宝ホールディングスの拠出財産で運営されている宝ハーモニストファンドの平成24年度助成先が決定しました。詳しくは、お手数ですが http://www.takara.co.jp/news/2012/12hd-002.htm をご覧ください。

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