動き始めた日本の洋上風力発電

設置が完了した洋上風力発電設備 ©新エネルギー・産業技術総合開発機構
設置が完了した洋上風力発電設備 ©新エネルギー・産業技術総合開発機構

 2013年1月からの電力供給を目指している着床式の洋上風力発電設備が、このたび千葉県銚子沖に完成した。一般家庭1200世帯分にあたる2400kwの発電を行いながら、安定的な発電量を生み出せるか、周囲の環境への影響はあるかといったさまざまな事象やデータを検証し、今後の日本における洋上風力発電の可能性を追究することを目的としている。

 

 ヨーロッパなどでは導入が進む洋上風力発電だが、日本ではこれまで陸上風力発電にのみ関心が向けられてきた。しかし、陸上風力発電の場合、土地の確保や環境・景観への影響、地形によって風の状況が左右されるといった問題も少なくない。用地確保の問題もなく、より安定的な風力の獲得が見込める洋上風力発電に注目が集まっているのは当然の流れかもしれない。

 

 その一方で、洋上風力発電にも課題はある。発電設備の建設や管理などのコストが陸上風力発電設備と比べて大きくなることや、台風や波などに対する耐久性への問題、さらには周囲の漁業環境への影響などがそれだ。事業を行う新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と東京電力では、本設備の稼動を通じて、これら諸課題の解決・解明のためのデータを収集していくとしている。

 

文/田中一整

 

 

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