環境省「エコ・アクション・ポイント」に「Forward to 1985 energy life」が新たに参加

311以降、揺れに揺れている日本のエネルギー問題。先の参議院選挙でもTPPや経済振興と並ぶ焦点の一つとされたが、月日の経過にしたがいその政策も震災前の体制に戻りつつあるように見える。

一方で、安全なエネルギーを求める動きも確実に広がっている。電力会社からの系統だけに頼らず自分で電気を作るマイ発電所や、太陽の熱で給湯や調理をする試みなどがそれにあたる。

 

また、忘れてはならないのが、エネルギーの利用そのものを小さくする動きだ。震災後に結成した団体「Forward to 1985 energy life」(代表:野池政宏氏)は、「家庭で使う電気を現在の半分以下の、1985年当時と同量にまで削減すれば、原子力発電への依存も大きく解消できる」とうたう。そのためのアクションとして、家庭や事務所等に向けては、電気やガス、灯油の使用量を記入し削減に励む「1985アクションナビ」を、住宅の建築事業者に向けては、講習会や勉強会の開催、「暮らし省エネマイスター検定」の創設などで、電力使用量削減の具体的な方法を示している。

 

今回、家庭向けの「1985アクションナビ」が新たに、環境省の「エコ・アクション・ポイント(EAP)」に参加することが決まった。ナビへの登録で50ポイント、1年間のエネルギー使用量を入力し、スタート時の電力使用量の半分以下の「1985家族」になった時点で300ポイントが付与される。半分を達成できなくても、達成率51~74%で100ポイント、75%以上でも50ポイントが得られる仕組みだ。

エコ・アクション・ポイントのロゴマーク
エコ・アクション・ポイントのロゴマーク

エコ・アクション・ポイントは環境省が実施する地球温暖化防止のためのポイントプログラムで、該当商品の購入や利用、アクションの実施等で貯めたポイントを省エネ商品や寄付などに交換することができる。2013年7月現在、提携している企業・団体数は39。100点を越える交換商品・サービスが並ぶ。

 

Forward to 1985 energy lifeで広報を務める吉田登志幸氏は、「原発という大きな巨像を倒すためには小さなアリたちによる地道なエネルギー削減が必要。多くの人が1985アクションナビを利用すれば、無数のアリが誕生する。エコ・アクション・ポイントを活用して、楽しみながら巨像に挑んでいこう」と呼びかける。

 

大勝を果たしたかのように見える現政権だが、目の前には依然多くの課題が山積し、向かう先に危うさを感じている国民も少なくない。未来のために何をすればいいのか。足元からのアリの動きが、いま、求められている。

 

(文 中島まゆみ)

 

Forward to 1985 energy life http://to1985.net/index.html

1985アクションナビ https://eco.navidoco.com/om/ActionNavi/index.aspx

環境省 エコ・アクション・ポイント http://eco-ap.jp/

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