風力発電による野鳥の死亡事故調査を発表 米NPO

ワシントンD.C.で活動するアメリカン・ウインド・ワイルドライフ・インスティチュートが北米の風力発電施設による野鳥の死亡事故を調べた研究を発表した。スズメやツバメなども含むものとしては初めてのものとなる。

50億を越える小さなスズメ目の野鳥のなかで風力発電施設との衝突で命を落としていると推測される個体数は134,000~230,000羽。全体からいうと0.01%にあたるという。野鳥全体の数値でみると214,000~368,000羽。一方、携帯電話の基地局やラジオの電波塔などによる死亡は680万羽、猫による死亡は14億~37億羽になる。

 

野鳥にとっての脅威はこれだけではない。9月8日、自然保護団体のナショナル・オーデュボン・ソサエティが米国魚類野生生物局に対して作成した報告によれば、北米に生息する野鳥の半数が気候変動によって生息の危機にあるという。それ以外にも生息地が農地や宅地として開発されることも野鳥の減少をもたらしている。

 

この調査結果は北米限定のものだが日本においてもそう変わらない現状があると推測できる。野鳥の生息に大きな影響を与える気候変動を止めるには風力発電を中心に太陽光や小水力などの再生可能エネルギーの普及が不可欠だろう。野鳥の保護に関して様々な要因を加味した包括的な対策が望まれる。

 

New Study Provides Most Comprehensive Analysis Ever of Bird Fatalities at Wind Energy Facilities

 

文・翻訳/EOL編集部

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