巨木が死んでいく! シャーマン将軍最大の危機

世界最大級の生命が生存の危機 米カリフォルニア州セコイア国立公園にあるシャーマン将軍の木 Photo by throgers CC BY-NC-SA 2.0
世界最大級の生命が生存の危機 米カリフォルニア州セコイア国立公園にあるシャーマン将軍の木 Photo by throgers CC BY-NC-SA 2.0

米カリフォルニア州は、ジャイアント・セコイアの巨木たちが世界一の高さや体積を競う地域でも知られる。その代表とも言えるのがセコイア国立公園にあるシャーマン将軍の木だろう。


現在、そのカリフォルニア州を襲っているのが1200年に一度と言われる大干ばつ。庭の水やり、洗車、洗濯、シャワーと、あらゆる分野での節水が呼びかけられている。


地球温暖化と深く関係があるとされるこの干ばつによって苦しんでいるのは人間だけではない。2,000年という長きにわたって生き延びてきたシャーマン将軍の木にも大きな影響が出ているという。

ロス・アラモス国立研究所で地球温暖化を研究しているネイサン・マクドウェル氏によれば、世界の森林にとって地球温暖化は歴史上かつてない脅威となっているという。


特に将来の干ばつに深く影響を受けるのが、水を吸い上げる力の弱い背の高い木や、高い部分にある葉の部分だという。このことは古くから炭素を貯留してきた森に悪影響を与え、二酸化炭素を放出させるリスクを持つ。高気温、干ばつによる山火事、病虫害によって、水をあまり必要としない低木や乾燥に強い草に置き換わっていく可能性があるというのだ。


巨木の森が失われることは、さらなる地球温暖化を引き起こし、カリフォルニア全域が砂漠となる可能性だって否定できない。


地球温暖化防止の取り組みを加速させ、巨木たちの命を永らえさせるための取り組みは待ったなしだ。


<参照リンク>

Drought-induced tree mortality accelerating in forests


翻訳・文 / 編集部


«一つ前のページへ戻る