2016年

5月

05日

気候変動の被害者たち⑨ 白化現象に襲われるグレート・バリア・リーフ

白化したサンゴ Dorothea Bender-Champ for ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies
白化したサンゴ Dorothea Bender-Champ for ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies

オーストラリアの代表する観光地のグレート・バリア・リーフ。オーストラリア北東岸に広がる世界最大のサンゴ礁地帯で7万人の雇用と5,000億円を超える利益をもたらしている。

そのグレート・バリア・リーフに今、大きな危機が忍び寄っている。地球温暖化による海水温の上昇でサンゴの白化が起きているのだ。

白化現象はサンゴと共生する関係にある褐虫藻が失われることによって起こる。透明なサンゴ組織を通して白い骨格が透けて見え、白化したように映るのだ。

Jodie Rummer for ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies

グレート・バリア・リーフを調査したオーストラリアの研究チームは「こんな大きな規模の白化現象はかつて見たことがない。サイクロンが同時に10個襲ってきたような感じだ」と話している。

2,300kmにも及ぶグレート・バリア・リーフで最もシビアな被害を受けているのがパプアニューギニアとの国境近くから南に伸びる北部にある522のサンゴ礁。その81%に深刻な白化現象が見られ、白化していないのはわずか1%だった。

このエリアのサンゴ礁は都市からも遠く、人間の影響を受けづらい。だが、同じ人間の影響でも地球温暖化となると話は違ってくる。北部の海水温が高温状態が続いたため、今回の大規模な白化現象が起きた。白化したサンゴはほぼ半数が死滅。ひどいところでは9割を超えるサンゴが死んでしまうという。

地元に持続的な利益をもたらすグレート・バリア・リーフを選ぶのか、目先の利益の化石燃料を選ぶのか。そんな科学者たちの問いが今、オーストラリアを揺り動かしている。

<参照リンク>
Only 7% of the Great Barrier Reef has avoided coral bleaching

翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所

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