2016年

5月

27日

日本の自然を味わう 秋祭りと自然の深~いつながり

秋祭りと自然の深~いつながり

 

秋は、米や野菜、果物などの収穫の季節。雨や風、高温や低温などの自然現象は、今でも、作物のできに大きな影響を与えます。それだけに、無事に収穫を迎えた時のうれしさはひとしお。その喜びを、自然への感謝の気持ちとして表わしたのが秋祭りなんですね。自然と結びついた日本の秋祭り、ちょっとのぞいてみましょう。

台風から、稲を守るぞ、風祭り

 

立春から数えて「二百十日」目にあたる9月初旬、日本列島はしばしば台風におそわれます。この時期は、稲に花が咲いたり、実がつき始めたりする大切な時。そこで、稲が風に倒されないようにと祈るお祭りが昔から行われてきました。有名なものでは、おかぐらなどが奉納(ほうのう)される奈良県竜田(たつた)神社の「風鎮祭(ふうちんさい)」、熊本県阿蘇神社の「風祭り」などがあります。また、富山県八尾(やつお)町で行われる「風の盆」は、夜中まで踊られる「おわら節」で有名です。

 

踊れば、雨がふってくる!?

 

夏に日照りが続き、農作物に必要な水が不足した時、雨をふらせてくれるように神さまにお祈りすること、それが「雨(あま)ごい」。この雨ごいのために、舞(まい)を踊ったり、すもうをとったりするお祭りが、各地で行われてきました。たとえば、東京都日の出町で行われる秋祭り(9月の最終日曜日)では、「鳳凰(ほうおう)の舞」という、子どもによる雨ごい踊りが有名。ほかにも、滋賀県、岐阜県などで、「雨ごい太鼓踊り」という踊りが伝えられています。

 

今年(2004)の梅雨は、どうして雨が多かったの?

 

6月から7月にかけては、北海道を除く日本全国が梅雨の季節。これは、北の冷たいオホーツク海高気圧と、南の暖かい太平洋高気圧が日本の上空でぶつかり、その温度差のために、ぶつかった部分に梅雨前線ができ、雨を多くふらせるから。例年なら、その後、太平洋高気圧が強くなって梅雨前線を北へ押し上げて、暑く、雨の少ない夏になるのですが、今年は太平洋高気圧が弱く、梅雨が長びきました。東北北部では「梅雨明け宣言」さえ行われない珍しい年になりました。

月の満ち欠けは、昔のカレンダー

 

暑さもしずまり、空気も澄んでくる旧暦8月15日の夜は「中秋(ちゅうしゅう)の名月」と呼ばれ、各地で美しい満月を鑑賞する風習があります。昔は月の満ち欠けによって、農作業を進めたり、祭事を行ったりしていましたから、月の満ち欠けのようすを観察することはとても大切なことでした。ちなみに、今年の中秋の名月は9月11日です。

 

かかしは田んぼの神さま!?

 

旧暦10月10日頃、関東から中部地方にかけて、「十日夜(とおかんや)」が催される地域があります。十日夜では、子どもたちがワラで作った棒で地面をたたいて家々を回ります。モグラや野ネズミなど畑を荒らす動物をこうして追いはらったのが始まりとか。長野県では、田畑での役目を終えたかかしを家に持ち帰り、お餅や野菜などをお供えする所もあります。西日本でも、「亥(い)の子祭り」という似たようなお祭りがあります。

 

かかしのライバル、スズメは害鳥?

 

お米の収穫時期を迎えるころ、田んぼにたくさんのスズメが群らがっているのを見かけることがあります。この時期のスズメの主食は種子や穀物。それで害鳥と考えられているようです。でも、スズメは、春から夏にかけてはひな鳥のために、作物に悪さをする青虫や毛虫などの害虫をたくさんとってくれます。その意味では、スズメは益鳥。だから、農家の人たちはかかしを作って、スズメを殺すのではなく追いはらおうとしてきたんですね。

マリモを迎えて、大いなる自然に感謝

 

アイヌ語で「トウラサンペ=湖のたましい」という名を持つ淡水藻(も)「マリモ」。北海道の阿寒湖では10月8~10日に、このマリモを迎えて自然の神さまの恵みに感謝する「マリモ祭り」が行われます。民族衣装に身を包んだアイヌの人たちが、美しいマリモを湖から迎え、いろいろな踊りで自然の神さまをもてなし、1年の恵みに感謝するのです。祭りの最後に、マリモは丸木舟に乗せられ、湖の深い底へと帰っていきます。

 

どうしてマリモは丸くなる?

 

マリモは糸のような細胞を持った藻(も)の一種。丸くなる前は、芝生のように湖底に広がって沈んでいます。ところが、風や河川の流入で湖水が動いている所では、この藻がころがり、からまり合って、少しずつ球形になっていくのです。日本では、阿寒湖以外でも道東のシラルトロ湖などで見られますが、直径20cmにもなる大きなマリモは阿寒湖だけのもの。世界的にも珍しく、国の特別天然記念物に指定されています。


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