
リオ五輪もそろそろ終了です。オリンピックでは日本の選手たちが過去最多のメダルを獲得し、感動的な場面にもたくさん出会えました。4年後の東京オリンピック成功に向けてよいスタートが切れたと言えるでしょう。
身近な存在となった東京五輪
私が理事長を務めるエコロジーオンラインは東京都環境局と協働体制にあり、東京オリンピックについて様々な意見交換を行ってきました。
オリンピックの話題に具体的に関わるきっかけとなったのが、お台場の潮風公園に設置された都民共同発電所「ひだまり~な」の存在です。
この施設は再生可能エネルギーの普及啓発事業として私たちと東京都が2007年に協働してつくったもの。栃木の団体である私たちが管理するのも不思議な話ですが、その施設がある公園でビーチバレー競技が行われることになるなんて全くの想定外です。
施設の設置からすでに9年。来年はいよいよ契約更新を迎えますが、ビーチバレーの仮設スタジアムに近接する施設になるため、これまでにない対応も必要。そのため、継続をするか、撤去をするか、かなり長い協議が続いてきました。
オリンピックは何のために?
都との関係がベースとなって、オリンピックの組織委員会のみなさんや、選手村の建設に関わるコンソーシアムの担当者との意見交換も行われるようになりました。そのため、オリンピックの理念についても学ぶ必要が出てきました。
公益財団法人日本オリンピック委員会(JOC)のホームページには、近代オリンピックの父と言われるピエール・ド・クーベルタン男爵が描いたオリンピックのあるべき姿が伝えられています。
「スポーツを通して心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情、連帯感、フェアプレーの精神をもって理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献する」
こうした理念はオリンピックの開会式などで表現されてきました。たとえば今回のオリンピックでは「多様性」が重要なモチーフとなりました。ブラジルには、ポルトガルやアフリカ、中近東から移住した人たちに加え、日本などアジアからも多くの民族が移り住んでいます。
リオオリンピックの開会式では、アートや映像を通じて、多様性あふれるブラジルの歴史について表現するとともに、サンバの国らしく音楽とダンスを通じて、異なる価値を受け入れることの大切さを訴えました。
環境NPOである私たちの目に鮮明に映ったのが地球温暖化についての映像が流されたことです。それに対応する温暖化防止アクションとして、参加者たちが木の種を植え、オリンピックの森という遺産もリオに生まれることになりました。
加わった「持続可能性」という理念
オリンピックも誕生から100年以上が経過し、時代にあわせた変化が求められています。その変化の方向性を明確にしたのが2014年12月モナコで行われたIOC総会に採択された「オリンピック・アジェンダ2020」です。そのなかで重視されたのが「持続可能性」という理念。リオで映し出された地球温暖化の映像も地球の「持続可能性」を訴えるものだったと言えるでしょう。これからの五輪は、経済、社会、環境という3つの側面において「持続可能」な開催を目指さねばなりません。
私たちが4年後に体験する東京オリンピックもクーベルタン男爵が掲げた「平和」や「多様性」の理念に加え、この「持続可能性」が大きなテーマとなります。
当然、「持続可能性」は環境問題だけが対象ではありません。今の日本社会を見てみると、世界でも例をみない勢いで高齢化が進んでいます。そんな日本社会で実施する五輪の「持続可能性」を考えるなら、高齢者や障がい者のみなさんを包み込むような五輪にすることが不可欠です。そのためにはパラリンピックの成功も重要なファクターとなるでしょう。
そしてオリンピックは、競技に参加する選手だけで行われるわけではありません。世界からやってくる選手やスタッフ、観客のみなさん、それを受け入れる私たちすべてが関わるべきものです。だからこそ、社会全体でバリアフリーやユニバーサルデザインを考えることが大切になります。
東京オリンピックを新しい時代のオリンピックの成功事例とするためにはまさに私たち自身の今後の活動が重要と言えるでしょう。
文 / 上岡裕
(協力:日本住宅新聞)
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