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【RADIO SAKAMOTO】温暖化に苦しむ人たちを前に田中正造なら何をしただろう。

地球温暖化による気候変動はマダガスカルの子どもたちにも大きな影響を与えている。
地球温暖化による気候変動はマダガスカルの子どもたちにも大きな影響を与えている。

エコロジーオンラインの活動を始めて今年で17年。その初期に本格的に関わったのが坂本龍一さんたちと立ち上げたartists’ powerでした。僕らは当時、このaritists’ powerと並行して田中正造直訴100年のキャンペーンのお手伝いもしていました。

栃木県にある足尾銅山の操業によって起きた公害を止めようと奮闘した田中正造。命をかけてその被害を天皇に直訴した日からちょうど100年が経った頃のことでした。

エコロジーオンライン生みの親としての田中正造

田中正造という人はエコロジーオンラインがある栃木県佐野市という町で生まれました。そういう意味で子どもの頃から彼の話をよく聞かされました。田中正造という人がいなければエコロジーオンラインは生まれていかなったかもしれません。

正造は日本のエコロジー運動の父とも言える人で福島原発の事故の際も彼の遺した哲学や言葉が多くの人によって引用されています。彼が亡くなった際に佐野で行われた葬儀に3万人の人が集まったと言われます。その葬儀が行われたのが104年前の10月12日。その日を記念して佐野市が制定したのが「田中正造の日」です。それにあわせて環境保護に取り組む全国の団体を表彰する事業も始まりました。

今年の「田中正造の日」はグローバルに自然保護を手がけるWWFジャパンの山岸尚之さんの講演もありました。彼は気候変動を止めるために各国のNGOと連携して国際的なキャンペーンを手がけています。田中正造が生きた時代は現代のような大量消費社会ではなく、環境破壊は国のなかや地域で起こるものでした。一方、大量に資源を消費して豊かな暮らしをおくるようになった現代では、環境破壊はグローバルとなり、地球温暖化や熱帯林の破壊のように、地球のどこかに暮らしている、貧しい国の、貧しい人たちが被害を受けるようになりました。現代社会に田中正造が生きていたら、そんな貧しい人たちを救うために頑張ったのでは?山岸さんはそう訴えたのです。

正造につながる僕らだからこそ手がけたい途上国の森林保護

エコロジーオンラインの活動はこの佐野という町からスタートして世界のあちこちで自然エネルギーの支援を手がけるまでに成長しました。国内で地球温暖化防止を呼びかけている団体が、なぜ途上国で貧困を無くす取り組みをするのか。そんな疑問を持つ人も多いようです。僕らはartists’ powerの立ち上げの際に、気候変動を止めるためには自然エネルギーの普及が不可欠であることに気づきました。自然エネルギーは大規模なインフラを必要としません。必要なところに必要な規模の機器を持ち込めば電気や熱をつくることができる。どこにでもある日の光や風や川、ゴミなどから、タダでエネルギーをとり出すことができる。そういう意味で地球温暖化防止のツールでもあるし、貧しい人たちを支えるエネルギー源にもなる。そこから生まれた灯りは暗くて危険な夜から子どもたちを守ってあげるし、調理のために使われる炭や薪を減らして、森を守ることにつなげることもできます。グローバルな課題とともにローカルな課題を解決することにつながります。

そんな僕らの提案にトヨタ自動車株式会社の支援が決まりました。これから2年にわたってマダガスカルで自然エネルギーの普及を手がけます。田中正造の時代、足尾銅山の操業によって現地の山々は荒れ果て、はげ山が続く荒野へと変化しました。その山々を緑に戻すため、今なお多くの市民が植林に汗を流します。マダガスカルの森林破壊は足尾どころではなく国全体にまたがっています。そうした森林破壊を改善するために破壊の原因となる薪や炭に変わる自然エネルギーを普及させ、緑化技術を持った日本の企業と連携して森林を再生する道すじを探ります。それが田中正造とつながりの深いエコロジーオンラインのミッションであると思っています。

教授たちと始めたartists’ powerからスタートした旅がこうしてアフリカの東端に位置するマダガスカルに到着しました。そういえば当時、アフリカのごみ問題をなんとかしたいと言ってましたよね。なんと今回、僕らが手がけるのはマダガスカルのごみや糞尿から生まれるバイオマスエネルギーの開発です。17年かかったけれど坂本さんからもらった宿題をやっと解く日がやって来ました!

<参照リンク>
RADIO SAKAMOTO 

*本記事は2017年11月5日の「RADIO SAKAMOTO」出演時に用意した原稿を再編集して作成しました。

エコロジーオンライン理事長 上岡 裕

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