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【脱炭素な言葉】新たな価値を生む!?アップサイクル

最近聞かれるようになったアップサイクルとはなんでしょう。

日本で親しまれているリサイクルの標語3R(Reduce・削減、Reuse・再利用、Recycle・再生)。アップサイクルとはこのうち「Reuse・再利用、Recycle・再生」の2つをさらに発展させたものと言えます。

これまでのコラムで解説したとおり、3Rという概念はあくまでも「廃棄物は出るもの」と考え、廃棄物を分解し固めて端材、または燃料にするといった対策が取られてきました。

例えばペットボトルを破砕したのち溶かしてまたペットボトルの原料にする。これが「再利用・再生」の一例ですが、この手法は一度原料まで立ち戻ってしまうと原料によってはオリジナルより質が劣り、多くの場合次のリサイクルにつながることはなく、結局ゴミになってしまいます。

これを「ダウンサイクル」と呼びます。

 

「アップサイクル」はこの「リサイクルしてもいずれゴミになる」という徒労感を打ち破る考えです。

これまでの3Rでいう「再生」とは、また元の製品のかたちに戻せるよう莫大なエネルギーと資金を使い廃棄物を原料に戻すということを繰り返してきましたが、それでは元の製品以上の価値は持ちえません。

そこで原料に戻すことなくその廃棄物の素材そのものの良さを活かした全く新しい価値と、時の流れに耐える存在に変えてしまおうということなんですね。

 

実は日本人は昔からこの「アップサイクル」を生活の中で繰り返してきました。

有名なところでは江戸時代には囲炉裏の灰にさえ灰買いという行商人がいたといいます。

そしていま「アップサイクル」の現場では日本の町工場の職人さんたちがその培った技術で廃棄物を生まれ変わらせています。

温故知新ということわざがありますが、道しるべを見つけたと思ったら昔の人たちが走った跡だったなんて、これもリサイクルのひとつと言えるかもしれませんね。

文・イラスト / エコロジーオンライン編集室

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