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キツネザルの森を救え! マダガスカル植林大作戦

エコロジーオンライングループでマダガスカルを支援するプロジェクトを始めて3年が経った。

マダガスカルに関わるきっかけは、「里山エネルギー」として国内で手がけていたロケットクッキングストーブの事業化の可能性について、現地調査をして欲しいとの現地NGOからのお誘いだった。

世界最貧国の一つであるマダガスカル。果たして“ビジネス”が成り立つのか。正直、そんな疑問からのスタートだった。だが、プロジェクトを後押ししてくれたJICA OBの「田中正造が活動した栃木のあなたたちこそ、この取り組みにふさわしい」と口説かれ、手がけることになった案件だった。

JICAの事業として採用され、翌年、実際にマダガスカルを訪問してみると、恐ろしい規模で森林破壊が進んでいる。田中正造が闘った足尾鉱毒事件では、銅山から排出された亜硫酸ガスで足尾の山々がハゲ山となった。それをはるかに上回るレベルで森林破壊が続く。首都アンタナナリボから訪問地のサカイ、ソアビナンディアナに向かう国道では、行けども行けどもハゲ山だった。

マダガスカルの森が失われた背景には、古くから続く焼畑農業による消失をベースに、水田への移行、薪や炭として活用をするための過度な伐採、再植林を伴わない違法伐採などがある。元々、8割あった森林面積が、現在では8%を切るまでになったと言われている。

キツネザルの危機 95%に絶滅のおそれ

日本人にはあまりなじみのないマダガスカルだが、テレビなどで紹介されるイメージは自然の宝庫というものだ。

マダガスカルにしかいないキツネザルたち、世界遺産のツインギー、不思議な姿をしたバオバブの木、カメレオン、リクガメなど、テレビでも何度となく紹介されている。

だが、実際に訪れてみると、どこにキツネザルが住む森があるのかと疑いたくなるほどハゲ山ばかりだった。日本に戻ってマダガスカルについての著作もあるカメラマンの堀内孝さんにお会いした。30年に渡って現地を訪問し、貴重な記録を残している。この春、アフリカ各地でバオバブが枯れはじめているという情報を知り、現地のバオバブを写真におさめてきたという。

彼が訪問したマダガスカル南部では、本格的に気候変動の被害が出始め、雨が降らないためにトウモロコシも育たず、国連の食料援助も始まっているとのことだった。前回、キツネザルを撮影できた森もきれいに消え失せていた。

最近の調査によれば、マダガスカルのキツネザルの95%が、絶滅の危機がある状態にあるらしい。主な原因は住みかとなる森の喪失だ。さらに、貧しいがゆえに行われる、ペットや食料としての売買が追い打ちをかける。このまま気候変動が進めば、生き残ったキツネザルでさえ、住む場所が失われるという。

 

気候被害から世界の子どもたちを守りたい!

マダガスカルはこれまで自然の豊かさを資源として、エコツアーなどの観光で外貨を稼いできた。こうして自然が失われれば、地域経済に大きな影響が出るのは間違いない。さらに気候変動が牙をむき、貧困のスパイラルが加速する。どんな時代にあっても苦しむのは弱い人たちだ。マダガスカルの子どもたちにどんな影響が出るのか心配でならない。

森林破壊を起こさないエネルギーの開発を支援するということで始まった「里山エネルギー」の取り組みだが、単純に木を切らない事をすすめるだけでなく、木を植えていく取り組みに成長する必要があると感じるようになった。

そのため「キツネザルの森を守れ! マダガスカル植林大作戦」を決行することにした。いつものように威勢が良い。だが、中身はこれからだ。皆さんの協力が不可欠。是非とも、地球のため、マダガスカルの子どもたちのために応援してもらいたい。

<参照リンク>
Horiuchi Takashi Photography – 写真家 堀内孝ウェブサイト
95 Percent of the World’s Lemurs Are Facing Extinction

 

エコロジーオンライン理事長 上岡 裕

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