エコロジーオンラインがマダガスカル支援を始めて今年で7年になります。
元々は薪や炭に使われる木材の量を減らすため、効率的な燃焼を可能にするロケットクッキングストーブの普及を目的に調査を始めたのがきっかけでした。
マダガスカルは元々8割が森に覆われていた国でした。しかし、この60年間で森林が44%も喪失し、今では森林面積が国土の7%に減少したと言われています。その大きな理由の一つが家庭の調理のエネルギーに薪や炭などの森林資源が使われるということにあります。
エコロジーオンラインがそんな目的をもってマダガスカルに旅立とうとしていると、北海道からある情報がもたらされました。マダガスカルからの留学生でうんちをエネルギーに変える研究をしている人がいるというのです。そんな人がいるんなら会ってみようと北海道にまで足を伸ばすことになります。それがマダガスカル人の留学生フェトラさんとの最初の出会いでした。
マダガスカルを訪問してみると、日本製のロケットクッキングストーブは現地の人にとっては高価すぎることがわかってきます。さて、どうしたものかと思っていると、あちこちで牛を放牧する人たちを見かけます。なんとうんちはほったらかしにされている。フェトラさんはこのうんちをバイオガスというエネルギーに変えようとしているのだと気づきます。
マダガスカルでうんちをエネルギーに変えるためには何をすればいいのか?
そんな問いに対してフェトラさんは「チェンマイにいるスッチョン先生に会うといいよ」と教えてくれました。マダガスカルから帰国したばかりでしたが、早速、タイに向かうことにして飛行機に飛び乗りました。
里山バイオガスで世界をつなごう!
上岡理事長チェンマイを行く
ここらへんがエコロジーオンラインがうんこで地球を救う旅を始める発端のエピソードです。この話をしているとあまりに長くなるのでここらへんで割愛するとして、世界にはボクらのようにうんこ/うんちの問題を真正面からとらえ、地球の課題解決に活用する変人、いや失礼、変革者たちがいます。その人たちの奮闘を描いたのがこの映画「ウンチク/うんこが地球を救う」です。
うんこ/うんちは地球のどこにでもあるし、どんな時も生み出されるものです。
エネルギーや肥料だけでなく紙、建築資材にも変わる貴重な資源を、汚いものとして社会の片隅においやるのは本当にもったいない。
地球との共生を考える新しい文明はうんこ/うんちの有効活用抜きには語れません。エコロジーを考える方には、この秋、必見の映画となるでしょう。
「ウンチク/うんこが地球を救う」勝手に推薦人
エコロジーオンライン理事長 上岡 裕