気候変動で悪化する空の乱気流 飛行機嫌いが倍増か!?

Cory Hatchel / CC BY-SA 2.0
Cory Hatchel / CC BY-SA 2.0

肉眼でもレーダーでも把握できない乱気流を晴天乱気流と呼ぶ。

大きく異なる速度で移動する空気の塊が衝突した時に生じることが多く、ジェット気流や山脈付近で生じることが多い。

この晴天乱気流の発生を予測することは難しい。そのため、飛行機内の事故につながることも多い。

こうした気象に関係する飛行機事故の24%がこの晴天乱気流によるものと言われ、乗客や客室乗務員が体を投げ出されて負傷するなどの事故につながる。

先頃、地球温暖化のおかげで晴天乱気流の発生頻度が高まるという研究が発表された。北アメリカとヨーロッパをつなぐ北大西洋航路で激しい揺れをともなう晴天乱気流の発生頻度は約3倍に増えるという。その結果、シートベルト着用の時間が2倍~3倍に増え、飛行機内でのストレスは増していく。

その他の地域について見てみると、北アメリカと北太平洋で約2倍、ヨーロッパで2.5倍の頻度になる。人口が多く飛行機をよく活用する地域に変化が大きくなることから、乗客や客室乗務員の事故が増えることも懸念される。

これからつくる飛行機に関しては、晴天乱気流の検出精度を上げ、事故を起こさない対応が求められる。すべての分野で気候変動への適応が待ったなしだ。

<参照リンク>
Climate change could nearly triple airplane turbulence in the next decades, study says
Global Response of Clear-Air Turbulence to Climate Change
晴天乱気流(ウィキペディア)

翻訳・文 / 有限会社ライツフォーグリーン

www.eco-online.org Blog Feed

大西洋の海洋循環は崩壊に向かうのか。新しい研究でわかったやばい現状 (火, 13 2月 2024)
>> 続きを読む

国連が望む米国の肉食文化の変容 持続可能な未来のために補助金の見直しを (Tue, 06 Feb 2024)
>> 続きを読む

熱帯の変温動物の絶滅が迫っている! 気候変動が爬虫類、両生類、魚類、昆虫に与える影響 (Tue, 30 Jan 2024)
>> 続きを読む

失われる地球の肺 アマゾンの熱帯林を形成する固有種の8割に絶滅の危機が!? (Thu, 25 Jan 2024)
>> 続きを読む

解決困難な海洋プラスチック汚染 未来の科学者はこの時代を「プラスチセン」と呼ぶ! (Wed, 24 Jan 2024)
>> 続きを読む

北極発パンデミックが地球を襲う!? 気候変動で極北の永久凍土に眠るゾンビウイルスが覚醒する。 (Mon, 22 Jan 2024)
>> 続きを読む

気候変動による気温上昇でアフリカのサイの絶滅が近づいている!? (Fri, 19 Jan 2024)
>> 続きを読む

世界で進む雪の減少 雪不足、水不足で苦しむ地域が世界で増殖か!? (Sat, 13 Jan 2024)
>> 続きを読む

戦争が気候危機を加速させる! イスラエルのガザ侵攻が地球に与える甚大な影響 (Thu, 11 Jan 2024)
>> 続きを読む

気候危機で抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」が増殖する!? (Wed, 10 Jan 2024)
>> 続きを読む

«一つ前のページへ戻る