春の自然を見てみよう!チューリップってどんな花

チューリップってどんな花

 

春になると、真っ先に思い浮かべる花の1つがチューリップ。いろいろな色の花が咲きみだれるようすはとてもカラフルで、気分もウキウキしてきます。このチューリップが日本に伝えられたのはおよそ140年前。今ではすっかり日本の風土にもなじんでいますね。今回は、春をいろどるチューリップを観察してみましょう。

ちょっと個性的な花の咲き方

 

チューリップは1本の茎に1つの花を咲かせます。花びらは6枚で、まるでお寺の鐘がさかだちしたような形で上に向かってのびています。つまり、ふつうの花なら、花びらの裏側に当たる部分をまわりに見せながら咲いているというわけ。16世紀にトルコからヨーロッパにチューリップが伝えられた時、この珍しい形が人気を呼び、その球根をめぐって大金が動いたというのですから、今から思えばびっくり。その個性的な花びらの中には、1本のめしべと6本のおしべがかくれています。

 

1人2役、チューリップの「がく」

 

チューリップのつぼみが大きく膨らんでくるのが4月頃。アサガオやヒマワリのような植物の場合は、その花を保護している「がく」を押し分けるようにして、中から色のついた花びらが現れてくるのですが、チューリップは、つぼみ全体が、緑色から花の色に変わっていきます。つまり、「がく」が花を保護する役目を終えると、今度は色づいて花びらの役目に変わるというわけ。1人2役ごくろうさまです。

 

春が終われば、さあ、夏休み

 

花が咲き終わり、葉も枯れ始める6月頃。チューリップの球根は土の中から掘り出され、日の当たらない乾いた場所に置かれて夏眠(かみん)に入ります。これを掘り出さずにおくと、湿気やカビでくさってしまったり、根に引きずられて球根が地中深くにもぐったりしてしまい、その結果、芽生えが始まってもなかなか地上へ出ることができず、球根の養分をムダに費やしてしまうというわけです。また、夏眠をしなかった球根の中には発芽しないものも出てくるとか。人もチューリップも、夏休みは大切なんですね。

 

きびしい冬をのりこえてこそ

 

春に花を咲かせるために、チューリップの球根は、前の年の秋に土に植えられます。でも、すぐに芽が出て冬に花が咲くということはありません。チューリップの球根は、一度、寒い時期を体験しないと、その眠りからさめないふしぎな性質を持っているからです。こうして春になり、水分を含んだ球根は、おしりからたくさんの細い根をのばし始めて長い眠りからさめるのです。

 

球根は栄養のタンク

 

チューリップの球根は何かに似ていませんか? そう、タマネギです。チューリップの球根をたてに切ってみると、うすい皮に包まれて、乳白色の葉のようなものが重なり合っているのがわかります。これを鱗片(りんぺん)といい、葉でつくった養分はここにたくわえられます。そして、球根の中心にある黄色っぽい「しん」が、芽に育つ「幼芽」。何枚もの鱗片が幼い芽を包み込み、春までしっかり守ってあげるのです。

 

球根にもいろいろな種類がある

 

球根で増えていく植物はチューリップ以外にもあります。しかし、ひと口に球根といっても、チューリップやユリ、スイセンなどのように葉と茎が変化したもの、クロッカスやスズランなどのように茎が変化したもの、また、ダリアのように根が変化したものと、いろいろな種類があります。広い意味でいえば、ジャガイモやサツマイモなどの野菜も、この球根と同じということができるでしょう。

 

チューリップにはタネができるの?

 

チューリップには、めったにタネは育ちません。その理由は、ほとんどの品種がタネを残せない性質や、まったく違う株の花とでなければ、受精できない性質を持っているからです。しかも、たとえ運良くタネがとれたとしても、タネから育ったチューリップでは、4年目くらいまでネギぼうずのような葉がのびるだけ。花を見るまで5年も待てる気の長い人以外は、やはり球根から育てた方が良さそうですね。

 

せっかく咲いた花、何でつんでしまうの?

 

新潟県や富山県などで見られるチューリップ農園では、花が咲き始めると、その花をみんなつみ取ってしまいます。じつは、チューリップの葉がつくる栄養分は、花を育てるだけでなく、球根を大きくするためにも使わています。そのため、花をつけたままにしておくと、球根が大きくならないというわけ。花をつみとることで、よりたくさんの栄養分が球根にまわることになり、大きな球根を収穫することができるのです。

 


«一つ前のページへ戻る