環境省が温室効果ガス削減対策の2ファンド創設へ

省エネ改修されたデンマーク・コペンハーゲンの公営住宅。省エネビルの拡大もファンド創設により期待されている  Photo by seier+seier
省エネ改修されたデンマーク・コペンハーゲンの公営住宅。省エネビルの拡大もファンド創設により期待されている  Photo by seier+seier

 1月11日、石原伸晃環境相は温室効果ガス排出削減を目的とした2種類のファンド(基金)を創設する方針を明らかにした。

 

 1つは再生可能エネルギーの普及や電気自動車の利用などにより、温室効果ガス削減に貢献する企業や民間団体に資金的援助を行うことを目的としたもの。もう1つは、エネルギー効率改善の目的で建築物を建てたり、効率の悪い既存のビルを建て替える際に資金援助を行うことが目的のファンドだ。いずれも平成25年度環境省重点施策として予算案が提出される予定。環境省では、ファンド創設に国が関わることでその信頼性を高め、また利益が出た場合には見返りが見込める「投資」という仕組みを取ることで、預貯金に眠る個人の資産を積極的に呼び込みたいとしている。

 

 原子力発電所の稼働停止に伴う電力不足は、火力発電をフル稼働させることで補ってきた。その結果、2011年度の温室効果ガス排出量は前年度に比べて3.9%増加。2012年度はさらに排出量が増える恐れもある。2つのファンドをきっかけに、いま一度、温室効果ガスの削減の取り組みが進むことを期待したい。

 

文/田中一整

 

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