奥日光のニッコウキスゲ、外来種の疑いが高まる

ニッコウキスゲ
ニッコウキスゲ

 2010年に改正された「自然公園法」で、昔からその地域にいた生物の生育に影響を及ぼす外来種を、原則的に取り除くことになった。外来種とは、もともとその地域に存在しておらず、人間の活動によって他の地域から入ってきた生物のことだ。

 

 この「自然公園法」の改正に合わせて、環境省日光自然環境事務所が奥日光に外来種が存在しないか文献で調べたところ、コマクサ、ニッコウキスゲ、クリンソウの3種が、外来種である可能性が高まってきた。

 

 外来種による被害を防ぐための法律として、「外来生物法」があるが、明治時代以降に海外から導入されたものを主な対象としている。それに対して奥日光の3種は日本国内の他地域から導入されたものと考えられているが、環境省では「自然公園法」に基づいて除去を検討しているという。観光客の人気を集めている花々だけに、今後、論議を呼びそうだ。

 

文/岩間敏彦

 

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