二輪車でも起きている電動化の波

テラモーターズという会社の電動バイク。10万円以下という低価格を実現した
テラモーターズという会社の電動バイク。10万円以下という低価格を実現した

 電気自動車を見かける機会が増えた。補助動力としてモーターを搭載しているハイブリッド車も含めれば、思いのほか電気自動車の普及率は高い。一方で二輪車の電動化も進んでいる。

 

 ほとんどの電動二輪車は、続けて走れる距離が40km前後だが、用途から考えると充分な距離と言える。燃料代がガソリン代よりもはるかに安く、小回りがきき、音が静かといった多くのメリットがある。家庭のコンセントから充電できるのも便利だ。

 

 ガソリンで走る二輪車よりも構造が簡単なため、さまざまなメーカーが製作し始めている。日本国内では家電量販店などで売られ、主に環境問題に関心がある人たちが使い始めた。また、ガソリンが値上がりするとともに、地方都市でガソリンスタンドが減少する中、田畑の見回りなどに利用する農家も増えているという。

 

 海外では二輪車が日常的に使われている東南アジアで人気が急上昇中だ。とりわけ約350万台のトライシクル(二輪車を改造した三輪タクシー)が走っているフィリピンでは、排気ガス対策などから、2016年までに10万台を電動化する計画がある。動力源がエンジンからモーターに替わるという技術革命は、二輪車でも確実に進んでいるのだ。

 

文/岩間敏彦

 

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