遺伝子組み換えの問題を伝える「市場deシネマ」を終えて

 11月29日、横浜市南部市場で「市場deシネマ」を開催しました。

横浜南部市場の開場以来、約40年にわたって水産物仲卸会社の代表をしています。ここ数年で取扱高が激減してしまった市場の将来を大変心配して来ました。

この「市場deシネマ」は従来の市場のイメージを大きく転換するための一つの方法として考えた企画で、これからの市場を「消費者に開かれた情報発信も担う楽しいマルシェ」へとイメージアップしようと考え「環境や健康をテーマにした映画鑑賞とマルシェでの買い物を一緒に楽しんでいただこう」という思いで取り組んでいます。

過去にも年に一度だけ「市場まつり」の日に映画の上映会を開催してきましたが、今後は毎週あるいは毎月という頻度で定期的に開催していこうと思っています。

 今回の上映した『遺伝子組み換えルーレット−私たちの生命のギャンブル』は「日本語版製作プロジェクト」への協賛からスタートしたもので、「遺伝子組み換え食品の危うさ」と「食べものと病気の関係」を伝える良い作品だと思います。

ただやはり、遺伝子組み換えや食の問題に関心のない一般の消費者の方に関心を持ってもらう難しさを感じました。

最終的な参加者は合計21名。もっともっと多くの方が集まるイベントに成長させたいと思っています。

この映画の日本語版製作から関わってこられた安田美絵さん、自然栽培野菜に取り組んでおられる直井恵子さんにご協力頂いて実現した豪華ゲストによるトークセッションは、参加者のアンケートからは大変好評でした。

上岡理事長

「間もなく始まる電力の自由化でも電力会社の電源の構成比が消費者に知らされず、選べないような状態にするというのは遺伝子組み換え食品の表示義務がない食品と同じ」と問題提起。業界は違えど同じ状況に対する懸念を感じました。

安田美絵さん

「日本の遺伝子組み換えの実態と表示のからくり、TPPとの兼ね合いなどを解説していただきました。「サルでもわかるTPP」「サルでもわかる遺伝子組み換え」の著者でもあり、私たちの知らないことを多く語ってていただきました。

直井恵子さん

「農業の再生を目指す!」熱い思いと、「雑穀として輸入された関税のかからないコメを国内で選別して安いコメが流通するカラクリ」など業界の裏話もお話いただきました。とにかく熱い方です。自然栽培の野菜も販売いただきました。


上映会終了後は地元神奈川県茅ケ崎で栽培された「無肥料・無農薬の自然栽培野菜」の紹介・販売、大分県「佐藤自然農園」さんのこちらも「無肥料・無農薬自然栽培野菜」の紹介と試食、地元横浜市内で栽培された自然栽培「安納芋」の販売を行い、こちらも大好評でした。


今回のイベントを通じ「消費行動を通じた投票権」を消費者がもっともっと意識して使うことの大切さ、必要性を強く再認識しました。参加された皆さんにも感じていただけたら幸いです。


レポート:市場deシネマ館長 瀧澤博

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