
スウェーデン・ウメオ大学の博士課程の学生マリーナ・ベッチャーによる研究で、北極の土壌からの温室効果ガス(二酸化炭素)の排出に、土中で生まれる霜の頻度と量が関わっていることがわかってきた。
北極の土壌は大量の有機物を含む。本来、数千年かけてゆっくりと分解されるはずの有機物が、温かい気候で分解されやすくなり、二酸化炭素として放出される。それが大気中の温室効果ガスの増加に大きな影響を与える。
だが、これまで二酸化炭素排出量予測は土中の霜の影響について考慮することはなかった。
生態学と環境化学を専攻するマリーナ・ベッチャーは自身の論文で、北極の土壌からの温室効果ガス排出に温度だけが影響を与えるわけではないことを明らかにした。二酸化炭素の排出は土中で生成される霜の変化によって影響されることがわかってきたのだ。
ベッチャーは「スウェーデン北部にあるアビスコの山岳地帯の様々な場所、合計15か所で1年間の二酸化炭素の流れを測定しました。すべての場所でその土地固有の植物が取り込むよりも多くの二酸化炭素が排出されていることがわかったのです」と語る。
彼女によれば土中の霜は植物種の構成と光合成によって二酸化炭素を吸収することの両方に影響を与えるという。ひどい霜にやられた場合、植物が光合成する前に植物の根が破壊されてしまう。この霜による影響が土壌の有機物の分解の速度に深く関係する。もし、この霜の成長が古い植物の残骸を表土近くに移動させれば、二酸化炭素の排出を増加させることになるというのだ。
<参照リンク>
Study Describes How Soil Frost in The Arctic
Affects Greenhouse Gas Emissions
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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