2016年

5月

26日

自然観察の達人になろう 身近なアリが面白い

身近なアリが面白い

 

ファーブルをはじめ、自然観察の達人は、まず身近な昆虫を知ることを大切にしています。たとえば、庭先でせっせとえさを運ぶ働き者のアリ。ファーブルもアリの行列をいろいろ観察して、その時のようすを『昆虫記』に書いています。今度はみんながアリの秘密を探ってみる番ですよ。

アリとハチは親せき

 

よく似たアリとハチアリは、その昔、地面や土の中で暮らしていたツチバチの仲間から進化したと考えられています。確かに、腹部のくびれや盛り上がったお腹など、アリとハチの体は似ています。また、何百ひき、何千びきもの仲間と一緒に暮らすのも、アリやハチの特長です。でも、結婚前の女王アリやオスアリを除いて、アリには羽がありません。これは、土の中で生活しているうちに、羽がじゃまになって退化してしまったのです。

 

一つの大家族で暮らしてる

 

同じ巣に暮らすアリは一つの家族です。でも、卵を産むのは、体の大きい女王アリだけ。そのほか大多数を占めるハタラキアリは、巣を作ったり、女王アリや幼虫の世話をしたり、えさを取ってきたりと、それぞれ仕事を分担しています。オスアリは、巣の中ではえさをもらうだけで働くことはありません。このように、アリの家族はそれぞれの役割を持ちながら暮らしているため、「社会性昆虫」と呼ばれます。

◆社会生活をするミツバチのふしぎ

産み続けるのが女王アリの仕事

 

夏を前に、羽のあるアリたちがいっせいに飛び立つことがあります。これは結婚飛行といわるもので、オスアリと新しい女王アリが飛びながら交尾をするのです。オスはこの飛行の後に死んでしまい、女王アリは一生卵を産める分の精子を貯えて、土の中で新しい巣を作り、ハタラキアリの卵を産み始めます。ハタラキアリは1年くらいしか生きられませんが、女王アリは数年間も生き続け、10万個以上も卵を産んで家族を増やします。

アリの好物いろいろ

 

アリは好き嫌いなく、いろいろなものを食べます。幼虫の時はたんぱく質が豊富な昆虫の死がいや花粉を、成虫になると毎日のエネルギー源になる花や樹液などの甘いみつを好みます。また、アリは、草や木の上にいるアブラムシのおしりから出る甘い汁が大好物。それをもらう代わりに、アブラムシの天敵であるテントウムシを追い払ったりしてアブラムシを守ります。アブラムシの別名「アリマキ」という名前も、こんな共生関係からきているのです。

 

アリは迷子にならないの?

 

アリは、巣から数百mも離れた所にえさを探しに出かけても、自分の帰る巣を見失うことがありません。それは、おしりから「フェロモン」という物質を出して、通ってきた道ににおいをつけておき、触角を使ってそのにおいをかぎながら戻ってくるからです。でも、すべてのアリが「フェロモン」に頼っているのではなく、光に敏感な目をもつクロオオアリなどは、太陽の角度を確かめながら歩いているといわれています。

フェロモンで家族を見分ける

illustrationフェロモンは、アリの道しるべに役立っているだけではありません。たとえ同じ種類のアリでも、家族によってにおいが違うため、間違ってほかの巣に入ることを防いでもいるのです。また、えさの取り合いなど違う巣のアリと出会ってケンカが起きると、蟻酸(ぎさん)というフェロモンの一種をかけることがあります。これをかけられたアリは、体が弱って死んでしまったり、違うにおいがついて自分の巣に帰れなくなったりします。

小さくても強いアリ

 

illustration昆虫の死がいなど、自分の体よりずっと大きなものも運ぶアリ。たとえば、クロオオアリのハタラキアリは、自分の体重の10倍もあるえものまでひきずって運ぶ力持ちです。また、アリは1匹では小さな虫にすぎませんが、集団になるとどう猛で、ほかの虫がアリの行列を横ぎろうものなら、たちまちえものにしてしまいます。熱帯地方に住むグンタイアリという種類には兵隊アリがいて、大きなあごと毒針でゴキブリやタランチュラ(大クモ)などを倒してしまうほどです。

 

アリの行列で試してみよう

アリの行列は、来る時も帰る時も同じ道を通ります。では、道に迷わない能力をじゃましてみたらどうなるでしょうか。たとえば、行列の途中に新聞紙を置いて地面の感触を変えたり、水たまりを作って土につけたにおいを消したりして、アリたちのとる行動を見てみます。ちなみにファーブルの実験では、新聞紙のまわりでしばらくうろうろした後、もと来た道を見つけていますよ。


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コメント: 1
  • #1

    Landon Drewes (金曜日, 03 2月 2017 23:08)


    Very energetic blog, I enjoyed that bit. Will there be a part 2?

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