クルマを活用したヨーロッパの調査で昆虫の数が大きく減少していることがわかった。
1997年から2017年までの夏の時期にデンマークの田舎でクルマのフロントグラスに衝突する昆虫の量は8割に数を減らした。
同様にそれらの虫をエサとするツバメやイワツバメなどの数も減少したのだという。
昨年、イギリスのケント州で行われた調査によれば、クルマのナンバープレートにぶつかった死んだ昆虫の数は2004年にくらべて50%も減っていることがわかった。なかにはほとんど何の痕跡のないナンバープレートもあったことが調査に関わった人を驚かせたという。
同様の結果は水生昆虫に対するドイツの調査でも明らかになっている。
気候変動しか影響を与えていない自然保護地域にある河川を対象に1969年から2010年にかけて調査した結果、81.6%水生昆虫の減少が見られたという。その間に変化したのは1.88℃上昇した水温だけだった。
農作物の収穫の3/4の受粉を担うのは昆虫だ。昆虫が減少することで自然の生態系に危機的な崩壊をもたらす可能性は否定できない。
専門家は昆虫の減少の背後にあるのは気候変動、生息環境の破壊、生息環境の分断、化学物質汚染の4本柱だと指摘する。彼らの絶滅を防ぐためにはこうした障害をとりのぞいた環境を増やす以外に方法はない。
この調査はヨーロッパを中心にしたものだが、それ以外の地域でも同じような減少が起きている可能性が高い。
それを明らかにするためにもさらなる調査が必要になるだろう。
<参照リンク>
Car ‘splatometer’ tests reveal huge decline in number of insects
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部
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