
海外の環境ニュースやSNSを見ていると、AMOC(大西洋南北熱円循環)に関する不安を誘う投稿が圧倒的に多い。
2004年に米国で製作された「デイ・アフター・トゥモロー」が、このAMOCをテーマに氷河期に襲われる北米やヨーロッパを描いて話題になった。
当時は環境省のお偉いさんでも「何で温暖化なのに氷河期が来るの?」と首をかしげる映画だったのだが、その後、世界各地の研究者たちによって研究が進み、すでに私たちの地球が映画で起きたようなことを体験する可能性があることが明確になってきた。
AMOCは熱帯地域の温かい海水を北へと運び、蒸発を繰り返しながら塩分濃度を上げ、北大西洋で比重が重くなり、沈み込んで熱帯に戻るという水の循環を繰り返している。
ところが地球温暖化によってグリーンランドの氷河や北極の氷床が溶け出し、真水によって塩分濃度を薄めてしまうため、海水が沈み込まなくなり、AMOCや止まったり、スローになったりする現象が起きると囁かれている。
AMOCの存在によって温暖な北米とヨーロッパが保持されているが、この機能に異常が生ずると100年で気温が30℃低下し、海水面は1メートル上昇する可能性があるという。ここまでの急激な変化にはどんな適応策も現実には対応できない。
今回の研究はオランダのスーパーコンピュータを活用して行われた。AMOCに淡水の量を少しずつ増やしていくとモデル内のAMOCは弱まり、突然、崩壊した。こうしたモデルでAMOCの崩壊が確認されたのは今回が初めてだという。
2025年にAMOC崩壊の可能性があるとする研究も出されている。今年は産業革命後の気温上昇が1.5℃を超える年になる。酷暑の夏になってもグリーンランドの氷河の行方にもしっかりと気を配る必要がありそうだ。
<参照リンク>
Extreme Climate Impacts From Collapse of a Key
Atlantic Ocean Current Could be Worse Than Expected, a New Study Warns
Atlantic current shutdown is a real danger, suggests simulation
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部
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