"Coral bleaching in the Gulf of Thaialnd_01" by Eco Cafe Pranburi is licensed under CC BY-SA 2.0
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絶滅の危機に瀕しているサンゴ礁が、温暖化する海に適応しようとする兆候を見せていることが、オハイオ州立大学の研究でわかった。地球温暖化によってサンゴ礁が危機にさらされているなか、小さな希望の光となる発見だと言える。
サンゴは、海水の温度が上がりすぎると「白化現象」という現象を起こす。これは、サンゴがその体の中に住む共生藻(きょうせいそう)を追い出してしまうことで白くなってしまう現象である。この共生藻はサンゴに栄養を供給する大切なパートナーであり、サンゴは白化すると死んでしまう可能性が高まる。この白化現象が世界のサンゴ礁を次々と破壊してきたのだ。
しかし、今回の研究では、過去に何度も白化現象を経験したサンゴ礁が、それに耐える力をつけていることが明らかになった。研究チームは世界中のサンゴ礁を調べ、これまでに何度も高水温に晒されてきた場所のサンゴは、初めて高水温を経験したサンゴに比べて、白化しにくい体質になっていることを発見したのだ。
これは、サンゴが遺伝子レベルで、あるいは微生物との共生関係を通じて、環境の変化に適応していることを示唆している。まるで、厳しい環境を乗り越えるたびに、その環境に強くなる「たくましさ」を身につけているかのようだ。
ただし、この発見は、サンゴ礁がすべての温暖化に対応できるというわけではない。サンゴの適応能力には限界があり、あまりにも急速な水温の上昇や、長期間にわたる暑さには耐えることができない。また、海の酸性化や汚染、乱獲といった他の脅威もサンゴを苦しめている。
この研究は、サンゴ礁が持つ「回復力」を理解する上で非常に重要である。サンゴの適応能力をさらに詳しく知ることで、私たちは、サンゴ礁を守るためのより良い方法を見つけられるかもしれない。例えば、遺伝的に強いサンゴを育てることや、サンゴの成長を助ける環境を整えることなどが考えられる。
この発見は、地球温暖化との戦いにおいて、希望を捨ててはならないことを教えてくれる。サンゴ礁は私たちに、厳しい環境でも生き残るための「生命の力」を示してくれている。私たちは、その力を信じ、サンゴ礁を助けるための努力を続けなければならない。
<参照サイト>
Fighting extinction, coral reefs show signs of adapting to warming seas - Ohio State News
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









