2023年、南米のペルーはかつてない規模の公衆衛生上の危機に直面した。蚊が媒介する感染症「デング熱」が猛威を振るい、記録的な数の人々が病に倒れたのである。なぜ、これほどまでの大流行が起きてしまったのか。
学術誌『One Earth』に掲載された最新の研究は、その背景に「人間の活動による気候変動」が深く関わっていることを、科学的なデータによって明らかにした。
通常、生物多様性の保全というと、絶滅の危機にあるパンダやトラ、あるいは美しいサンゴ礁などが思い浮かべられる。しかし、地球の生態系が機能するための土台を支えているのは、この微生物たちだと言える。
彼らは、私たちが当たり前のように享受している生命維持サービス、すなわち「生態系サービス」の根幹を担っている。例えば、土壌の中で有機物を分解し、植物が利用できる栄養に変える物質循環、大気中の二酸化炭素や窒素を固定し、気候を調節するバイオジオケミカル・サイクル、さらには人間の消化管に生息し、私たちの健康や免疫システムを支える共生関係など、その役割は多岐にわたる。