カテゴリ:biodiversity


生物多様性 · 22日 11月 2025
「微生物」  プラネタリーヘルスを守る「小さな巨人たち」
通常、生物多様性の保全というと、絶滅の危機にあるパンダやトラ、あるいは美しいサンゴ礁などが思い浮かべられる。しかし、地球の生態系が機能するための土台を支えているのは、この微生物たちだと言える。 彼らは、私たちが当たり前のように享受している生命維持サービス、すなわち「生態系サービス」の根幹を担っている。例えば、土壌の中で有機物を分解し、植物が利用できる栄養に変える物質循環、大気中の二酸化炭素や窒素を固定し、気候を調節するバイオジオケミカル・サイクル、さらには人間の消化管に生息し、私たちの健康や免疫システムを支える共生関係など、その役割は多岐にわたる。
チーム・マダガスカル · 15日 11月 2025
地球上から消えゆく愛らしいキツネザル:その命を救うたった一つの道
マダガスカル島。アフリカ大陸の東に浮かぶこの神秘的な島は、地球上のどこを探しても見つからない、キツネザルというユニークで愛らしい動物たちの唯一の故郷である。しかし、彼らは今、存続の危機に瀕している。島に生息する100種以上のキツネザルのうち、実に98パーセントが絶滅の危機にさらされているという厳しい現実があるのだ。
生物多様性 · 08日 11月 2025
小さな体に宿る驚異の技術:キツツキの「全身連動の打撃術」
自然界の謎の一つに、「キツツキはなぜ、小さな頭だけで巨大な木に穴を開けるような、強烈な打撃を繰り返しても脳震盪を起こさないのか」という疑問がある。長い間、科学者たちはその秘密を首の筋肉や頭部の特殊な構造に求めてきたが、ブラウン大学を中心とした研究チームによる最新の研究は、この鳥の驚異的な「掘削術」が、頭部だけでなく全身と呼吸を統合した驚異的な協調動作によって成り立っていることを明らかにした。
気候危機対策事業 · 01日 11月 2025
「食卓の一皿」が地球の生命を左右する!生物多様性危機と食の選択
私たちが毎日の食卓で選ぶ「一皿」の食べ物が、遠く離れた地球上の動物たちの運命を左右している――ケンブリッジ大学の研究者たちが開発した新しいツールは、この厳しい現実を定量的に明らかにした。この研究は、食料生産が世界の3万種を超える陸生動物の絶滅リスクにどう影響しているかを測定し、私たちの食習慣が持つ生物多様性への影響の大きさを浮き彫りにしている。
海外ニュース · 10日 9月 2024
土の中のオーケストラ 土壌の健康を音で探る
健康な土壌は、人間の耳にはほとんど聞こえないが、さまざまな音を発している。オーストラリアのフリンダース大学の研究者は、土壌中の生物多様性を音響で測定する研究を行い、土壌の状態を音で確認できる「エコ音響学」という新しい分野の可能性を示した。研究によれば、土壌中の音の複雑さや多様性は、無脊椎動物の豊富さと関連しており、健全な土壌ほど多様な音が確認された。特に、植生が回復した区域では、伐採された区域よりもはるかに多様な音響が観察され、この技術が土壌の健康状態を明確に反映していることがわかった。ロビンソン博士は、土壌の生物多様性を守るためには、この技術が有効なツールになると期待している。
エコニュース · 09日 9月 2024
「自然保護区増加」と「気候変動緩和」の両立が必須 東京大学が発表
東京大学の森章教授らは、世界中の森林を解析し、生物多様性が炭素吸収に重要な役割を果たしていることを示した。特に、自然保護区がこの機能性を支えているが、気候変動が進行し温暖化緩和に失敗すれば、この役割が損なわれる可能性があるという。生物多様性と気候変動は密接に関わっており、気候変動は生態系に影響を与える一方、生物多様性は炭素隔離を通じて気候に影響する。今回の研究では、30by30目標を達成するためには、気候変動を抑制し、生物多様性を保護することが不可欠であると結論付けられた。この成果は、今後の生物多様性と気候変動に関する国際政策に役立つことが期待されている。
エコニュース · 03日 9月 2024
2030年までの実現を目指す「ネイチャーポジティブ」とは?
今日、ネイチャーポジティブの実現に向けて積極的に取り組む会社や企業が増えています。 ネイチャーポジティブ(自然再興)とは、悪化の一途をたどる生物多様性の状態を改善するために、生物多様性の損失を止め、回復させようという取り組みです。2030年までに、このネイチャーポジティブを達成することを目標としています。 2030年は、SDGsの実現を目指す重要な年でもあります。個人としての取り組みももちろん大切ですが、ネイチャーポジティブに賛同する企業が増えることは、自然と共生する世界を叶えるための追い風となるでしょう。
エコニュース · 10日 1月 2023
<生物多様性と人類の危機>受粉障害による早期死亡 世界で約427,000人が犠牲に!
2022年12月19日、カナダ・モントリオールで実施されていた生物多様性条約第15回締約国会議が「昆明(こんめい)・モントリオール目標」を採択して終了した。 その主な内容を見てみると下記のような項目が含まれている。 ・世界全体で陸地と海の30%以上を保全地域にする。 ・外来種の侵入を少なくとも50%削減する。 ・生物の遺伝情報の利用で得られる利益を公平に配分する。 ・官民で少なくとも年間2000億ドル(日本円でおよそ27兆円)を確保する。 ・生物多様性に特化した途上国向けの新たな基金を創設する。 一方、生物多様性に対する影響の監視や情報の公開など、民間企業が果たす責任について義務化は見送られ、採択された新たな目標にも強制力がないなど、どこまでの実行力があるかに疑問符がついている。 そんななか生物多様性の損失が世界の人々の早期死亡につながっているという論文が発表された。 2022年12月14日「Environmental Health Pe
<金澤バイオ研究所訪問記>気候変動対策としての「土壌」の役割を考える。
12月5日は国連が世界に呼びかける「世界土壌デー」。 私たちを生かす土・土壌についての認識を深める日です。 エコロジーオンライン編集部も11月30日、土壌のことを学ぶため、千葉県にある金澤バイオの見学に行ってきました。 金澤バイオといえば、土壌研究の第一人者、金澤晋二郎教授が手がけるオーガニック肥料「土の薬膳」シリーズを製造、販売していることでおなじみです。
チーム・マダガスカル · 07日 10月 2022
<応援コメント> ”ウンチが地球を救う” は、世界に誇る日本の技術です。
何を隠そう、実は私も「ウンチが地球を救う!」派なのです。 私は土壌微生物が専門のため、自然界の様々な廃棄物でオーガニック有機肥料の製造に関わっております。 都市の下水汚泥の、ベルリン市では下水処理水の資源化にも関りました。 自然界の原料と超高熱細菌を用いて、高機能で安全、農薬の分解機能も持つオーガニック肥料『土の薬膳』まで進化させました。 地球上にたくさん存在する廃棄物の中で、オーガニック肥料製造には、「人糞」がとても優秀な原料であると断言できます。 その理由は、人間は雑食性で、牛・豚・鶏肉、魚肉、穀物、野菜、果実、茸等々、多様な栄養価の高い食物を食している唯一の動物だからです。 糞の質は、食べたものの質に密接に関係しております。 人の糞の成分は、水分60~65%、新陳代謝によって排出された腸内細胞15~20%、大腸菌などの腸内細菌10 ~15%、未消化の食物繊維、5%、などです。 僅かな量ではありますが、胆汁などの体内分泌液や体内毒素も加わります。体内毒素は、発酵過程で簡単に分解・消失します。

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