【エジプト発】100メガワットの太陽光発電所を計画中

 2020年までにエネルギーの20%を再生可能エネルギーにするという目標達成のために、2ヵ所目となる太陽光発電所を2012〜2017年の間に建設費7億ドルで建設すると、エジプトの電気省が発表した。

 地元紙の『Al-Ahram』が伝えたところによると、アスワン・ハイ・ダム近くのKom Omboに建設予定の発電所は、アフリカ開発基金や世界銀行、そして、国連のクリーン開発メカニズムを含む多くの国際機関が融資する予定。

 

 電気省次官のAktham Abou el-Ella氏がロイター通信に語ったところによると、今回の計画は、エジプトをアフリカ北部で太陽光発電が最も盛んな地域とすることを目指している5ヵ年(2012〜17年)計画プロジェクトの一環だという。1基目の太陽光発電所はカイロ南部に位置するEl-Koraymatに今年末に完成予定で、太陽光で20メガワット、従来の天然ガス発電で120メガワット発電容量がある。

 

 現在のところ、エジプトの電気の大部分は天然ガス発電で、ナイル川流域の一部でのみ水力発電が行われているものの、その発電量はわずかだ。しかし、エジプト政府は2020年までに太陽光と風力を主に発電量の20%を再生可能エネルギーにすると公約した。将来的には欧州南部に太陽光エネルギーを輸出することも視野に入れている。

 

 アフリカ北部は降雨量の少なさと日射量の豊富さを売りに、太陽光発電の中心地となりうると言い続けてきた。しかし、実際には高額な技術資本がネックとなり計画はなかなか進行していなかった。

 

 公約を達成するには、エジプトは技術獲得を急がなければならない。主に、経済成長とエアコン使用量の増加が理由で、電機消費量は年間8%も伸びている。伸び続ける電気消費量を満たしながら、2020年までに公約を達成するためには、太陽光で1ギガワット、風力で7.2ギガワットの電力が必要だと政府は試算している。

 

 風力発電の目標達成に関しても道のりは長そうだ。紅海岸沿いで大規模な風力発電計画が進行中で、すでに2ヵ所が稼動しているが、国内風力発電量はたったの430メガワットしかない。しかし、先月、エジプトの風力発電開発に2.2億ドルのローンを提供した世界銀行は、国内電力網へのインフラ整備を含め、潜在的には、2022年までに10.2ギガワットの発電が可能との声明を発表している。

 

文:温野 まき 翻訳サポート:中野 よしえ

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