風レンズ風車による洋上風力発電実験がスタート

実験は2012年12月まで行われる予定
実験は2012年12月まで行われる予定

 2011年12月、九州大学と福岡市が協力しあう形で、洋上風力発電の実験が始まった。福岡県の博多湾内に浮かべた六角形・直径18mのフロート上に、出力3kW×2台の風レンズ風車と、合計出力1.5kWのソーラーパネルを搭載して発電するものだ。海の中道沖650mの海上に設置されており、国営海の中道海浜公園などから見ることができる。

 

 

 風レンズ風車とは、羽根のまわりにメガホンのような枠をつけることで、レンズのように風が集まり、羽根に当たる風の速さが約1.4倍に、発電量も約3倍になる風車のことだ。つまり、弱い風でも発電可能なことが最大の特長になっている。また、大型の風車で問題になっている低周波や騒音、バードストライク(鳥がぶつかってしまう事故)などの心配がないのも特長だ。すでに福岡市の志賀島自然保護センターや、北九州市の環境ミュージアムなどに設置されて、発電を開始している。

 

 今回の実験を通じて、海の上でも発電できることが確認されれば、海に囲まれている日本に適した再生可能エネルギーになりそうだ。

 

文/岩間敏彦

 

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