目指せ!小水力発電 EOL発電部が栃木北部の砂防堰堤を視察

 2月初旬、エコロジーオンライン発電部、里山部の連動企画として日光を訪ねました。栃木県が出した小水力発電の候補地の現地調査のための訪問です。
 エコロジーオンラインの小水力の担当をしてくれている山根さんがそのリーダー。水をテーマにしたまちづくりを手がける都留市の発電所の設計を担当し、エコロジーオンラインの活動にも協力する大切な仲間。日光連山や足尾山地が生み出した豊かな水を持続可能なエネルギーを生み出す資源として活用し、地域経済を元気にし、地球温暖化防止に貢献するためのフィールド調査です。

 数10年ぶりの大雪の影響が残る道路状況のなか、EOL里山部長の溝越さんが操るサファリに同乗。群馬県南部の新桐生の駅からスタートし、日光、鹿沼と10か所近い候補地を回りました。そのターゲットの多くは砂防堰堤(砂防ダム)です。
 小さな渓流などに建設されることの多い砂防堰堤。土砂災害や山から流出する土砂量を調整するために設置されるものですが、河川を人工的に階段状にするため、その落差をつかって発電をすることができるのです。

 だからといって砂防堰堤ならどんなものでも発電に向くわけでもありません。小水力発電の効率を決めるのは川の流れの持つ落差。川幅があって水の量が多かったとしても落差がないと効率的に発電しません。
 そのため、砂防堰堤の取水口から発電施設までどう落差をつくれるかが課題。そこから計算された発電量から生みだされる売電収入と建設や調査にかかるコストをどうバランスとるかで事業の収益性が決まります。

 今回訪れた候補地のなかでは足尾銅山の旧精錬所の奥にある足尾砂防堰堤がとても魅力的でした。落差もしっかりとあり、設置工事もしやすい環境が整っています。
 この砂防堰堤を囲むように足尾銅山の操業で発生した亜硫酸ガスによる森林破壊で荒野となった山々が広がります。そこを緑に戻す植林事業も盛んで自然エネルギーを多くの人に伝える効果も期待できます。誰が手がけるにしろ、田中正造翁のご縁のある足尾ですから、僕らも協力してここに小水力発電ができるよう努力をしていきたいと思っています。


 小水力発電は発電容量が1000キロワット以下で大きな施設は必要ありません。そのため、太陽光発電や風力発電のように景観を大きく変えることもありません。しかも、発電所を設置してしまえば長い間発電をし続けます。地球温暖化の解決のためにも、こうした地域にやさしいエネルギーをしっかり普及していくことができれば素晴らしいですね。

エコロジーオンライン発電部 上岡裕

 

視察を終えて山根さん、里山部長溝越さんと記念の一枚
視察を終えて山根さん、里山部長溝越さんと記念の一枚

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