
イギリス国民がBrexitを選択して1週間が過ぎた。BrexitがもたらすEUの混乱や世界経済への影響は様々なところで分析されてきた。
ここのところに来て、トランプ旋風やBrexitが加速した背景に地球温暖化があるという記事を見かけるようになった。実際にEUからのイギリスの離脱を呼びかけてきたイギリス独立党ナイジェル・ファラージ党首が、スロベニア国境に集まったシリア難民のポスターをつかってBrexitを煽っている。
The EU has failed us all. pic.twitter.com/Lb7txUghar
— Nigel Farage (@Nigel_Farage) 2016年6月16日
シリア難民のポスターの前でポーズをとるナイジェル・ファラージ党首。
エコロジーオンラインは昨年5月、ISISが台頭して大量に難民が発生したシリアの大地に、気候変動による干ばつが襲っていたことを伝えた。
気候変動がISISの膨張を加速させた!? 肥沃な三日月地帯をかつてない干ばつが襲う!
その傾向は気候変動の進行とともに激しくなり、中東や北アフリカは人が住める環境ではなくなるという研究所の予測もある。
自分たちが原因となった地球温暖化によって多くの難民が生まれる。自分たちが難民を生み出す原因の一つをつくっているという自覚なしに国を閉じるだけでは先進国としての責任は果たせない。
一方、シリアでのISISの台頭や難民問題は干ばつだけが原因だったのではなく、シリア政府がうまく水を管理できなかったからだという指摘もある。人口増大にともなって農業や工業の分野など、暮らし以外の分野でも水の利用が増えていく。シリア政府には爆発的に増える水をどのようにまかなうかというビジョンが欠落していた。その結果、干ばつが続く農村から都市に大量の住民が流入し、難民を生むきっかけになったというのだ。
今後、気候変動によって多くの問題が発生する。だがそれは、他の社会問題と複雑にからみあって私たちを襲ってくる。それを単純化して物事を判断する人が多くなってくると、Brexitやトランプのような現象が世界のあちこちに生じてくる。
世界に起こる事象を単純化してとらえず、その背後にある原因をしっかりと見つめ、彼らのような政治家と向き合っていくのが、これからの地球市民としての役割なのかもしれない。
日本も今、参議院選挙の真っただなかだ。私たちもまた目先の利益で感情的にならず、責任ある市民として投票するべきなのだろう。
<参照リンク>
What Brexit And Trump’s Rise Mean For The Global Community’s Fight Against
Climate Change
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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