アイスランドの首都のレイキャビクが2040年までに温室効果ガスの排出をゼロにする計画を立てている。そのために、都市の拡張を抑制し、ウォーキング、サイクリング、公共交通機関を活用するという。
地熱の資源に恵まれたレイキャビクは自然エネルギーの優等生だ。すべての住宅の暖房には地熱が活用され、電力は100%水力発電。
アイスランドがパリ協定を批准するにあたって、レイキャビクのさらなる取り組みとしてカーボンニュートラル計画が発表された。
自然エネルギーの優等生であっても温室効果ガスは排出する。クルマなどの利用による排出だ。市民の移動から生まれる8割の排出をどのように減らすかが、カーボンニュートラルを達成するカギとなる。
レイキャビクには12万人の人が住んでいる。残念ながらクルマでの通勤をベースにしたアメリカ型の生活をする人が多い。その人たちが遠くからクルマで通勤し続けたら温室効果ガスは減らせない。ちなみに公共交通機関であるバスの利用率はたったの4%。この利用率をあげるとともに19%の自転車の活用を30%以上に引き上げ、EVの活用を促すために無料の駐車場と免税措置を高めていく。
暮らしを低炭素型にするためには、市の中心部に住んでくれる人を増やすことが重要になる。そのためまちなかでの居住を奨励するキャンペーンにも乗り出す。
アイスランドは地熱などの自然資源をアピールすることで観光客を誘致することに成功した。さらに市民に低炭素型のライフスタイルを根付かせ、さらなる観光客の獲得に乗り出していく。
同じ島国、同じような地熱資源を持つ日本。パリ協定をどうとらえるかで国のブランドにも大きな差が出てくる。政府の積極的な姿勢を望みたい。
<参照リンク>
Reykjavík: the geothermal city that aims to go carbon neutral
抄訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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