
気候変動によって大きな影響を受ける永久凍土について新しい研究結果が発表された。
その研究を発表したのはイギリスのエクセター大学を中心に編成された国際チーム。総合学術雑誌「ネイチャー」の気候変動版に掲載された。
その記事によれば地球の平均気温が一度上がるごとにインド一個分の永久凍土が融解。二酸化炭素やメタンを大気中に放出するという。
永久凍土は少なくとも2年にわたって0℃以下の気温で凍結した大地を指す。そのなかには有機物が閉じ込められ、永久凍土が融解すると有機物の分解が始まり、二酸化炭素やメタンを放出する。永久凍土に閉じ込めれれた二酸化炭素は大気中にあるものよりも多いと推測される。
永久凍土が融けることで問題になるのは温室効果ガスの排出だけではない。北極に近い高緯度地域で永久凍土の上に住む人たちは3,500万人。彼らが住み、働き、クルマに乗る基盤の足場が軟弱になり、建物や道路の倒壊の危険性も指摘される。
現在、北極圏の気温上昇は地球全体の2倍の勢いで進んでおり、あちこちで永久凍土がとけ始めている。
これ以上の永久凍土の融解を防ぐためにはパリ協定を遵守することが重要だと研究者たちは語る。産業革命以降の気温の上昇を1.5℃未満に抑えることができれば永久凍土の大規模な崩壊は避けることができるのだ。
子どもたちに持続可能な未来を手渡すためにできること。それはすでに明らかなのだ。
<参照リンク>
Huge permafrost thaw can be limited by
ambitious climate targets
翻訳・文 / ソーシャルエコロジー研究所
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