小さな奇跡の見つけ方 途上国で持続可能なビジネスを考える。

マダガスカルの事業を協働するマダガスカルサービスのみなさん
マダガスカルの事業を協働するマダガスカルサービスのみなさん

昨年から始まったマダガスカルのエネルギー改善事業のため、1週間のスケジュールで現地を訪問しました。1週間とはいえ、現地の往復に3日ほど費やしたため、中身は4日という短い調査でした。

この事業は自分が代表を務める里山エネルギー株式会社がJICAから受託したもの。家庭の調理に活用する薪と炭の減量や、モミガラ・オガクズなどの燃料からエコ燃料をつくる事業の可能性を調査します。

 

省エネ住宅と似るBOPビジネスの構図

このビジネスは1日2ドル未満(月に6千円前後)で暮らす人たちが8割に達する国での事業。逆に言えば現金に依存していない人たちが多く住む国でモノを売るわけですから、並大抵なことでは成功しません。

こうした国での事業はBOPビジネスと呼ばれます。BOPはベイス・オブ・ザ・ピラミッドやボトム・オブ・ザ・ピラミッドの略で、ピラミッドの下層にいる年間所得が30万円未満の40億人がターゲット。爆発的な成長を遂げるアフリカなどの開発途上国のマーケットを狙います。

このビジネスを成功させるために重要なのが現地の社会課題の解決につながるかどうかということ。蚊による伝染病を防ぐために蚊帳を販売する、クオリティの悪い燃料でも動く船の船外機を開発する、そうした現地の課題にあった商品が成功への近道となります。

私たちの事業はマダガスカルの森林破壊を加速させる燃焼効率の悪い調理スタイルをロケットクッキングストーブで省エネ型にして家計の負担を減らすことを狙います。それとともに廃棄されているオガクズやモミガラを固形化して調理に活用することで、薪、炭の消費量を減らします。

住宅で言うなら、省エネ住宅をつくる話に似ていると思います。エネルギーにかけるコストが減り、お得だよって話。でもやはり、短期的にみるとお金がかかる。その溝をどう埋めていくのかということにビジネスの成功の鍵があります。

 

地球にやさしいものを適切な価格で売る。

僕らが販売する小さな自然エネルギー機器は、地球にとっても、買った人の財布にとっても、素晴らしいものだと言えます。でも、現地のみなさんにプレゼンをして返ってくるのは「良いのはわかるけど高い」という声がほとんど。今のままでは買ってくれません。

そういう商品を販売する場合は国や地方自治体が補助金をつける場合があります。僕らがプロデュースした小さな太陽光発電所「ナノ発電所」も仙台市から1万円の補助金が出て防災グッズとして役立っています。

しかし、マダガスカルという国は海外からの支援がないと成り立たない。そういう意味で国に補助金をつくってもらって販売するということもできません。

小さな会社である里山エネルギーにとってこの事業を持続させることが国に対する信頼性をアップさせ、ブランドを磨くことにつながります。そのためにはどこかで利益をあげないといけない。でも、それはBOP層にある人々に限りません。日本と現地をつなぐことによって生まれる「共感」をどのようにお金に変えるか。そこが勝負だと感じました。

 

先進国と途上国がつながるビジネスモデルを目指して!

 私たちが購入する商品のなかには、全く同じ機能でも高く売れるものと安く売れるものがあります。たとえばブランドのバッグなど、機能やデザインだけでその高価格を説明できない商品も多く存在します。その価値を支えるのは磨き上げられた技をもった職人たちに支えられているといった物語であったりします。「商品が高い」というのはそれを買わない一つの理由でしかありません。そこに別の物語が乗ることによって高い商品だって購入してくれることもあるのです。

 地球温暖化や森林破壊など、現在の地球はかなり大変なことになっています。すべての人とは言いませんが、この気持ちに共感してくれる人たちが確実に増えています。不安定化した地球の上で必死に生きる子どもたちの笑顔を守る。そんな物語が日本で販売する商品に乗れば現地で私たちの商品を安く売る支援金が紡ぎだせるのではないだろうか。

私たちはこれからそんな商品づくりを手がけます。ご興味があればエコロジーオンラインのウェブサイトをご覧くださいませ。

文 / 上岡裕(協力:日本住宅新聞

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