
気候危機が叫ばれるなか、私たちの意識は二酸化炭素にばかり向かいがち。植物が光合成をして生み出す酸素がなければ私たちは生きていけません。
その酸素の約6割が世界の熱帯林によって生み出されています。南米を代表する熱帯林のアマゾンはその1/3以上を占めているため「地球の肺」と呼ばれます。熱帯林が存在しなければ私たちは息をすることにも苦労することになります。
そのアマゾンに危機が迫っています。一つの原因は昨年秋から続いてきた気候変動による干ばつです。アマゾン川の本流支流を含めて120年ぶりの渇水を体験してきました。雨が少ないために熱帯林の木も土も水分を保つことができません。そのために熱帯林の干ばつがより厳しいものになり、環境破壊に対しても弱くなり、森林火災などがおきやすくなっています。
最近発表された研究によればブラジルの熱帯林の固有種2000種以上の82%が絶滅の危機にあることがわかりました。外来種も含めた場合、4950種の65%に絶滅のおそれがあります。
この研究は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストの基準に沿って、初めてブラジルの熱帯林の健康度合いを評価したもの。とても厳しい状況にあるのがわかってきます。
地球温暖化の加速や人為的な開発によって、「地球の肺」であるアマゾンは徐々に消失しています。負のスパイラル加速させないために私たちに何ができるのか。世界の人々の叡智を集めて取り組む必要がありそうです。
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翻訳・文 / エコロジーオンライン