· 

温暖化なのになぜアメリカは凍えるのか?

極渦の乱れを表すNASAの画像
極渦の乱れを表すNASAの画像

アメリカ中西部が大寒波に襲われている。

1月31日はアラスカ南部よりもシカゴの方が寒くなるだろうと言われ、この寒波によって9000万の人々が-18℃の気温を体験する。しかもこの寒さが6週間から8週間も続くというのだ。

地球は温暖化しているのに何でこんなことが起こるのか?

その秘密を解く鍵は北極の上空にできる極渦(大規模な気流の渦)の乱れにあるという。

極渦(polar vortex)通常、地表の約16キロ上空にあり、一つの中心のまわりを強力な風がまわり、北極圏に冷気を閉じ込め、暖気を侵入させない壁として機能する。

その極渦が今年はいくつかに分裂。その一部がアメリカの中西部を覆い、厳しい寒さと冬の嵐をもたらすことになった。

この極渦の乱れに大きな影響を与えるのが地球温暖化だ。地球温暖化は極域と赤道域に大きな影響を与えると言われるが、北極圏は通常の2倍のスピードで温暖化が進んでいる。

北極に氷があると鏡のように太陽の光を反射することができるのだが、地球温暖化で夏の気温が高くなり、氷が無くなると太陽の熱を海水が吸収してしまう。そのおかげで北極海にホットスポットができあがる。気候変動によって大きな影響を受けるジェット気流と、このホットスポットの存在によって、極渦の乱れが生じていると研究者は考えている。

このまま温暖化が進めば、極渦は毎年のように分裂し、北極以外の地域に厳しい寒さをもたらすことになる。

温暖化が進むと冬の寒さが厳しくなる。

こうした矛盾するような現象が起きるのが、気候変動の理解を阻む大きな要因の一つでもあるのだ。

<参照リンク>
A Closer Look at the Polar Vortex’s Dangerously Cold Winds
Brace for the Polar Vortex; It May Be Visiting More Often

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部

www.eco-online.org Blog Feed

山火事の煙から身を守るための知恵 私たちの呼吸と健康を守る行動 (月, 18 5月 2026)
>> 続きを読む

7つのグラフが映し出す地球のSOS! 気候危機の現在地を知る (Sun, 03 May 2026)
>> 続きを読む

海の「熱のベルトコンベア」が直面する危機! 21世紀末までに大西洋子午面沈降循環(AMOC)が半減する (Mon, 27 Apr 2026)
>> 続きを読む

海の王者が追い詰められる日 サメとマグロを襲う「熱」と「酸欠」の二重苦 (Sun, 19 Apr 2026)
>> 続きを読む

<国連>輝け!自然エネルギー 中東の危機が教える「新しい光」への道 (Sat, 04 Apr 2026)
>> 続きを読む

都会のオアシスが遠のく日! 猛暑が奪う「緑の安らぎ」とその対策 (Sun, 29 Mar 2026)
>> 続きを読む

サハラの砂がEU襲う! 気候変動に揺れる「見えない橋」とヨーロッパの空 (Sun, 29 Mar 2026)
>> 続きを読む

血中に刻まれる警告!? 50年後の「息苦しい空」を避けるために (Sun, 29 Mar 2026)
>> 続きを読む

オーバーシュート時代を生きる! 限界を超えた先の地球と私たちの歩み (Sun, 15 Mar 2026)
>> 続きを読む

白く乾く大地の叫び 世界中の「塩湖」が消えゆく危機とその処方箋 (Sun, 15 Mar 2026)
>> 続きを読む

«一つ前のページへ戻る