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海から私たちの体へ:小さなプラスチックがたどる旅の物語

Photo by Sören Funk on Unsplash

 

私たちの周りにあふれるプラスチックが、とても小さな粒となって、海を巡り、そして気づかぬうちに私たちの体の中に入り込んでいることが、最近の研究から明らかになった。この小さなプラスチックの旅を追跡し、それが地球や私たちの健康にどんな影響を与えるかを調べようと、スタンフォード大学の科学者たちが熱心な研究を続けているのだ。

 

ホプキンス海洋研究所のマシュー・サヴォカ博士らは、カリフォルニア州のモントレー湾の浜辺や海で、マイクロプラスチックを集めている。彼らは、小さなプラスチックの破片がどこから来て、海の中でどのように広がり、どこにたまるのかを明らかにしようとしている。研究によると、私たちが毎日使うプラスチック製品から生まれたこれらの小さな粒は、想像以上に広く、そして深く、私たちの環境に浸透しているという。海に流れ出たプラスチックの多くがなぜ海面に浮かんでいないのかを解明する別のチームもいる。彼らは、微生物の死骸などが集まる「マリンスノー」にマイクロプラスチックが付着し、海底に沈んでいく様子をシミュレーションで再現しているという。

 

さらに、この研究は、小さなプラスチックが私たちの健康にどう関わっているかという、とても大切な問いにも答えようとしている。研究者たちは、クジラのような海洋生物が、餌と一緒に大量のマイクロプラスチックを摂取していることを発見した。そして、この小さな粒子が彼らの消化器系から脂肪や肝臓組織へと移動していることがわかってきたのだ。これは、海洋生物だけの問題ではない。研究により、マイクロプラスチックはすでに、私たちが食べる様々な食品や、私たちの血液、肺、胎盤、さらには母乳からも見つかっている。つまり、海を汚染する問題が、いつの間にか私たちの健康問題になっているのだ。

 

この課題を解決するためには、プラスチックの使用量を減らすといった私たち一人ひとりの行動も大切だが、それだけでは十分ではない。専門家たちは、より良い規制の整備やプラスチックごみの排出を減らすための、社会全体での根本的な取り組みが必要だと訴えている。この研究は、小さなプラスチックが私たちと地球に深く結びついていることを示し、未来のために真剣な行動を求める、やさしい警告を発しているのである。

 

<関連サイト>

Tracking microplastics from sea to body

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)

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