· 

生物多様性の損失は過小評価されている! ケンブリッジ大学が指摘

 

ケンブリッジ大学の研究者らがコロンビアで実施した新しい研究により、土地利用の変化、特に森林伐採が生物多様性に与える悪影響が、これまで考えられていたよりもはるかに大きいことが明らかになった。この研究結果は、局所的な調査では生物多様性の損失が最大で60%も過小評価されている可能性を示唆している。

これまで、土地利用の変化が生態系に及ぼす影響を評価する研究は、比較的小規模で局所的な調査が中心であった。しかし、ケンブリッジ大学の植物生態学教授で、本研究の共著者であるデイビッド・エドワーズ氏は、このようなアプローチでは、自然に引き起こされているより大規模な被害を正確に捉えられていないと指摘する。

 


コロンビアの鳥類調査が示す深刻な現実

研究チームは、10年以上にわたる取り組みを経て、世界最大規模の鳥類学調査をコロンビアで実施した。これは、地球上で最も種が豊富な国の一つであるコロンビアにおいて、手つかずの生態系と改変された生態系の両方で、鳥類の調査を「驚くほど多く」行うことで、局所的な研究が種の損失をどの程度過小評価しているかを定量化する試みだった。

その結果、森林を切り開いて新たな牧草地を作る行為が、以前の想定よりも最大で60%も多くの生物多様性に損害を与えていることが判明。エドワーズ氏によると、森林が牧草地に転換される際、恩恵を受ける種もあれば、生息地を失う種もいる。局所的なスケールで種の増減を測定するだけでは、多くの種の生息域全体で発生している広範囲にわたる土地伐採の、より大きなスケールの影響を捉えることができないのだ。

 


拡大する森林破壊と保全への提言

この研究が警告を発する背景には、コロンビアにおける深刻な森林破壊の現状がある。コロンビアの森林減少は、2023年には20年以上で最低水準に達していたものの、2024年には113,608ヘクタールもの森林が失われ、前年比で43%もの増加を記録した。

エドワーズ氏は、森林破壊やその他の種類の土地被覆の変化が生物多様性に及ぼす真の影響を理解するためには、「特定の国や地域の生態系全体にわたる研究を実施する必要がある」と強調する。

本研究は、土地利用の変化が生物多様性にもたらす脅威の深刻さを改めて浮き彫りにした。これまで用いられてきた局所的な調査手法では、広域にわたる生態系の繋がりや、種の生息域全体での損失を適切に評価できていなかった。この結果は、地球規模での生物多様性の保全戦略、特に熱帯林の保全策を見直し、より広域的・長期的な視点を取り入れる必要性を示唆していると言える。

生物多様性の損失は、単に種の数を減らすだけでなく、生態系全体の機能にも深刻な影響を与える可能性がある。この新たな知見は、私たちの地球が直面する自然破壊の規模を正確に理解し、効果的な保全措置を講じるための重要な一歩となるであろう。

 

<関連サイト>
Biodiversity loss due to land use change could be highly underestimated: Study

 

翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)

«一つ前のページへ戻る