Photo by Javier Miranda on Unsplash
2025年は、世界中で化石燃料による二酸化炭素(CO2)の排出が続き、地球温暖化の影響が、これまで以上に私たちの生活、経済、そして生態系を強く揺さぶった一年であった。この一年を振り返り、人間が引き起こした気候変動が、いかにして異常気象を悪化させ、私たちの暮らしを脅かしたのか、知っておくべき五つの現実をやさしい言葉で解説する。
1. 🌡️ 記録的な暑さのほとんどは「人間のせい」
私たちが暮らす都市で観測された記録的な暑さの多くは、もはや偶然ではない。2025年、アメリカの主要247都市で観測された日々の最高気温の記録のうち、なんと89パーセントが、人間の排出するCO2による温暖化の影響で「起こりやすくなった」と分析された。本来、暑さの記録と寒さの記録は半々になるはずだが、現実は異常なほどの「暑さ優勢」が続いている。これは、地球が着実にオーバーヒートしている何よりの証拠であり、猛暑がもたらす健康被害のリスクを深刻化させている。
2. 🌀 最強のハリケーンは「温暖化の燃料」でさらに巨大化
2025年の大西洋ハリケーンシーズンで最も強力だったハリケーン「メリッサ」は、カテゴリー5(※)の猛烈な勢力でジャマイカを直撃し、甚大な被害をもたらした。ハリケーンがこれほどまでに巨大化し、破壊力を増した背景にも、人間の活動が関わっている。CO2によって海が温められると、それが熱帯低気圧の「燃料」となり、勢力を増強させる。メリッサが通過した海域の表面水温は平年より非常に高く、この異常な暖かさにより、ハリケーンの最大風速は約18キロメートルも強まり、被害の可能性を最大50パーセントも増加させたと推計されている。
※ハリケーンの強さは5段階で分けられ、カテゴリー5は最大の強さを表す
3. 🌲 過去最大の損害額を記録した山火事も温暖化が後押し
2025年1月にロサンゼルスを襲った山火事は、30人以上の命を奪い、1万6千軒以上の家屋や事業所を破壊し、損害額は過去最高を記録した。火事の原因は人間の活動によるものが多いが、その火を制御不能な大災害へと変えたのは、気候変動がもたらす「火災の天気(Fire Weather)」である。異常な高温、乾燥、そして強風が組み合わさることで、山火事が発生しやすい条件が作られた。CO2による温暖化は、この危険な火災の天気を約35パーセント起こりやすくし、その激しさをさらに高めたのだ。
4. 🌧️ 記録的な鉄砲水と洪水:温暖化が水の循環を狂わせる
2025年、アメリカでは気象庁による鉄砲水警報の発令回数が記録を更新した。特にテキサス州で発生した大洪水は、135人以上の命が失われるという悲劇的な結果をもたらしている。これは、気候変動が水の循環を乱し、極端な豪雨を引き起こしていることの現れである。空気は温かくなるごとに、より多くの水分を保持することができるようになる(気温が約0.5度上がるごとに水分は約4パーセント増える)。このため、ひとたび雨が降ると、以前よりもはるかに大量の雨が短時間で降り注ぎ、内陸部での洪水リスクを大幅に高めているのである。
5. 💰 10億ドル級の気象災害が過去最高のペースで発生
被害額が10億ドル(約1,400億円)を超えるような大規模な気象災害は、もはや珍しいことではなくなった。2025年は、上半期だけで既に14件もの10億ドル級の災害が発生し、年間を通じて過去最も早いペースでその被害額が積み上がっている。これは、異常気象そのものの頻度と強さが増していることに加え、沿岸部や火災が発生しやすい地域など、災害リスクの高い場所に人口や資産が集中していることも関係している。この高まる災害リスクから、私たちの暮らしを守るためには、化石燃料への依存をやめ、クリーンエネルギーへの転換を急ぐことが不可欠である。
<関連サイト>
Five Things to Know About Climate Change in 2025
翻訳・文 / エコロジーオンライン編集部(AIを使用)









